書評:お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践(勝間和代)~リスクプレミアの意味を知るべし

勝間和代さん固め読み第6弾です。
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今回は「お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践(勝間和代)」というお金の話です。

勝間さんの専門は、会計や金融。
まさに本職の知識やノウハウを本にしたものです。
ぼく自身、FXを10年近くやってきていますが、読んでみると目からウロコでした。



1.投資をする意味

その当時、本書を読んで投資をすると、まもなくサブプライムローン問題に巻き込まれます。
そのことを受けて、Amazonのレビュー欄には「大損」的な形でディスられてましたが、

勝間さんがおすすめしているのは、毎月の積み立ててであり、ずっと積み立てしていたら大きな利益になってました。

1回だけの買いではそうかもしれませんが、積立は利益が乗っています。
この当時から買い続けた人は現在は+56%程度にはなっています
参考 → 検証!インデックス派必見、日経平均を8年間毎日積み立てた時のリターンはいくらか?


さて、なぜ投資をするのか、ようやく意味がわかってきました。
投資をしないと100万円は100万円のままです。
物価上昇率がなんたら・・・とか言われますが、

今100万円もらうのと、5年後に100万円もらうのでは、あなたはどちらを選びますか?



きっと今ですよね。
今100万円あれば投資すれば増える可能性があり、等価値ではないのです。
でも、投資をしない人は今の100万も、5年後の100万も同じであり、機会損失を起こしています。

投資をしないってことは、その間に受け取れるであろうリターンも得られないことを意味しています。
本来の意味はこうではないのかもしれませんが、自分的には一番納得した考えです。


ちなみに、なぜ「銀行にお金を預けるな」というと、預金することで、本来受け取れる金利を銀行が取り、微々たる額を預金者に金利として払っているのです。
というのも、基準となるのは国債の価格なわけで、大きな差があります。
もちろん、利便性の関係がありますが、その部分で金利に差が出ているわけですね。


2.読書メモ

お金に働いてもらうことが大事
 → していない人は、本来得られる収入が得られていない
  → 何もしない方が実はリスクである

安全資産は資産価値の変動幅が小さく、その結果リターンも低い
 → リスクプレミアを取っていないため
  → 銀行預金のその最たるもの(で、銀行が儲けている)
   → 国債 > 預金金利

安全資産が多い = 労働による収入に頼らざる得ない = 長時間労働
金融リテラシーが高まると、「ラクしてお金を儲ける」なんてないことがわかってくる
 → 金融はリスクに応じてリターンが生じる
  → リスクとは計量可能で、コントロールできるもの
   → コントロールできないリスクは危険であり、ただのギャンブルである

株の場合、会計利益の将来期待の大きさの割に株価が安い会社に投資することは統計的に勝つ可能性が高い投資であるが、チャート分析を使って株式投資は単なる賭けになる。



銀行にお金を預けてはいけない理由
 → 今もらえる100万と3年後にもらえる100万は同じ価値ではない
  → 運用すれば増えるわけだが、銀行に預けたら増えない
   → 預金はお金の価値が目減りする

金融リテラシーは仕事のように時間をかけて熟達していく性質のものである
人は損した時の悲しみのほうが大きい(プロスペクト理論)

株は長期的に見ると資産を増やす結果につながりやすい
 → 手数料がかかったとしても、リスクプレミアを考えると儲かる
  → リスク資産は6~7%程度の利益を生む

株式や為替市場はプロがしのぎを削り合っている
 → 株価はすぐに適正価格になる(割安ではなかなか買えない)
 → 頻繁にトレードすると素人がカモにされるだけ(勝てないゲームである)
 → 個別株よりもインデックスに投資する方が、全体の成長を享受できる

外貨預金をするならFXで
 → 手数料が低く、金利が高い、ただしレバレッジには気をつける



日本で投資が普及しない理由 = 住宅ローンで手一杯
 → 大きな負債であり、それだけのリスクをかかえるリターンがあるかを考える
  → 不動産価値は上がらない
   → 住宅ローンが銀行が儲けるための源泉であることを理解し、余計なお金をたくさん払っている
  → 毎年6~7%のリターンはあるか?

新築マンションには20~30%の利ざやが乗っている(本来の価値は80%など)
銀行のゴールは、各個人に住宅ローンを組ませること
REITはこれから成長していく市場

新興国など自分で情報収集するのが難しい国は多少の手数料を払っても投資信託を購入するほうが効率的
買う側と売る側にとって魅力的な商品は同じではない
 → 売る側は手数料が高いものを売りたい
急激に上がったものは急激に下げやすい(リターン・リバーサル。統計上証明されている)
 → 中国やインドの高値づかみに要注意



資本主義は「賢くない人から賢い人へお金が流れる仕組み」である

生命保険 = 住宅に次ぐ大きな金融商品
1.死亡や病気などの不意の事故に対するリスクを軽減する(掛け捨て部分)
2.退職後や、子孫のために資産運用として貯蓄に対応する(積み立て部分)
注意するポイントは
1.貯蓄部分は何に投資され、どの程度の利回りか
2.保険のコストが見えない。手数料が割高、詐欺対策のコストもある
3.死亡保障は本当に必要な額より多いのでは?


分散投資をするなら外貨を積極的に含ませるべき
 → 海外の大多数の国が日本よりも経済成長率が高いから、投資先として魅力的。金利も高い。
本屋で「○○円儲けた」という本はたまたまであり、再現性はない

金融でしっかり儲ける基本5原則
1.分散投資
2.年間のリターンの目安として10%はものすごく高い、5%で上出来
3.タダ飯はない(リスクとリターンは比例)
4.投資にはコストと時間が必要
5.管理できるのはリスクのみで、リターンは管理できない



将来的には労働収入の10~30%を金融収入で積み上げる
シャープレシオが高いほどリスクリターンが高く、1を超える資産はそこそこ優秀である

リバランスの重要性
 → 統計的に、ある時期によいリターンを生んだ資産は翌年のリターンが悪くなる(逆もしかり)
  → 上がった資産は適切な水準まで売却するといい(25%ずつなのに、35%も占めれば25%まで売却)
   → 安く買って高く売ることが可能
  → だからこそ、ノーロードの投資信託を選ぶ

金融という側面からの3つの節約ポイント
1.住宅ローンは組まない
 → 金融の側面からはかなり不利な資産。(資産価値減少、税金、維持費など)
  → 資産運用したいならREITにする
2.都市部の人は車を買わない
  → 常時使わなければ、レンタカーやタクシーで十分
3.生命保険を定期逓減(ていげん)型にする
 → 手数料が高いので貯蓄効果は期待しない
  → 死亡・疾患リスクを補うだけでいい
※ 固定費の浮いたお金は、きちんと天引きしていき、投資に回すこと

通用しなくなったこと
・蓄財のために住宅をローンで買う
・若死にするリスクに対しては生命保険でカバーする
・老後は公的年金でカバーする

終わりに

ずいぶんと長くなってしまいましたが、金融の素人なので、勉強になるばかりでした。
NISAをきっかけに投資を始めた人もいると思いますが、やはりバックボーンとしての知識は必要です。
本書は投資に興味を持った時におすすめの1冊です。

次回 → 書評:まじめの罠(勝間和代)~日本人が陥っている罠を自覚しよう