マンガから読み解く、映画「秒速5センチメートル」 ネタバレ解説

Huluにて新海誠監督の映画「秒速5センチメートル」を見ました。

そして、

猛烈に残るもやもや感


Huluで新たに配信された映画「秒速5センチメートル」を見ました。 監督は新海誠さん。Huluで同じく配信された「言の葉の庭」...

悶々と残る思いを解消するためには、マンガ版を読む必要があると思って読みました。



結論を書けば、

映画見たら、絶対に漫画版も読んだほうがいい



これでようやく秒速5センチメートルに幕が下ろせるからです。


マンガでは丁寧な描写があり、本編の補完がずいぶんとできました。
それにマンガは映画の世界観を壊しておらず、キャラの描写がとてもうまかったですね。

以下、ネタバレ有りで解説していきます。




1.桜花抄

遠野貴樹と篠原明里の小学生~中1の話で、貴樹目線で進行していきます。


貴樹と明里は転勤族で、転校には慣れっこ。
小5の時、明里が貴樹のクラスに転校してくる。
貴樹は喘息持ち、明里は熱がすぐに出る。ともに身体が弱く、趣味は読書。

本の趣味が合い、意気投合する2人。
貴樹は宇宙飛行士になるのが夢だったようです。
明里は貴樹が志望する私立中学校を一緒に受験するのですが、親の都合で栃木に転校になります。

転校のことを貴樹に打ち明けると、貴樹が落ち込み、すねて2人の関係がギクシャク。
中学校に入って、半年後に文通が始まり、高木の鹿児島への転校が決まり、2人は会う約束をする。

この密会は2人とも、親に内緒にしていたようです

貴樹はクラブの打ち上げ、明里は内緒だけどちゃんと帰ってくるから信じてと置き手紙をおいて。

貴樹はこの日のために2週間かけて書いてきたのは、人生初めて書くラブレターだった。
でも、無残に風で飛ばされてしまう

雪で列車が停まる中で、貴樹は明里に思いを馳せる。
明里は1人だと感じる貴樹。「そしてたぶん僕も同じように本当の意味では1人だった」
明里がいなくなったあと、ちゃんとやっているつもりだったが、1人なのが本当の姿だと思い至る。

小学校時代に、同級生に相合傘を書かれても、言い返せず、ただ固まってうつむいている明里は、中学校でも生きづらさを感じているのかも。
明里も高樹も仲のいい友だちはお互いしかいなかったし、できなかったし、求めなかった。
お互いがいたからこそ、お互いに補完し合えたものが、今は遠く離れてしまって、また1人に戻ってしまった。
お互いの境遇に思い至り、お互いの大切を見に持って知る場面かな



あとで明かされることですが、貴樹を待つ間に、明里は彼に向けてラブレターを書く。
彼女も貴樹と同じような心境になったはず。

2人は再開し、お弁当を食べ、歩き、どこかの納屋で一晩過ごす。
翌朝の電車で貴樹を送る明里。
そして、明里が別れ際に「貴樹くんはこの先も大丈夫だと思う。ぜったい」と言う。

書いたラブレターは渡せなかったのではなく、きっと渡さなかった。

明里は貴樹がいなくなったから変わらなきゃダメだと考えて生活をしていた。
この明里の言葉はもう2人が二度と会えないことを暗示して決意した言葉じゃないかな。


明里はラブレターを渡さないことで、新しいスタートを切ろうとしている。
だから、一緒にいたいとか、好きだとか、ずっと思っているとかは言わなかった。
彼のいない世界で生きていく決意をしたのだと思う。(鹿児島のさらに種子島は遠すぎるわけで)

貴樹はラブレターを渡せなかったことで、先に踏み出せないままになってしまったのではないかな。
だから、彼は明里を思い続けることを誓ったし、強くなりたいとも思った

ここで両者の生き方に大きな違いが出たのではないでしょうか。
もしも、あのラブレターが渡せていれば、貴樹の思いもある程度消化されて違う結末へといったのかもしれませんね

そうそう、漫画版では踏切の描写が多いですね。
明里が転校してきて親と一緒に歩いているのを貴樹が見かける場面、明里が「来年も桜を一緒に見れるといいな」と言う場面、転校することを打ち明けて遠野が逃げたのも踏切。
しかも、どちらかが踏切の向こう側にいるんです




2.コスモナウト(1巻)

遠野貴樹と澄田花苗の高校3年生の物語で、花苗目線で進む。
花苗のお姉ちゃんはその高校の先生

貴樹は高校では進学組、花苗はおそらく普通科コース
遠野と佐々木(という女子)が学年1位と2位。
貴樹と明里の手紙はお互いだんだん返事が遅くなって途絶えてしまった。

貴樹は誰にでも接し方は同じ。みんなに平等で穏やかで優しくて、でも本心はよくわからないというのが周囲の評判。
そんな貴樹に中2から花苗は片思いを続ける。
貴樹はそんな彼女に、「話せてよかった」「今日会えなくて残念に思っていた」などと気を持たすことばかり言う。

この心境については書かれていませんが、相手の好意を知りつつも前に進めない自分がいるのでしょう。
明里のことが忘れられない、彼女を思う気持ちを持ち続けると誓ったから。

こう考えると、大学生になった貴樹は何人かと付き合っていますので、前に進もうと努力をしているといえます。

だからこそ、花苗に「明日のこともわからない。余裕ないんだ。迷ってばかりだよ。できることをなんとかやってるだけ」と言ったし、それが貴樹に言えるギリギリだったと思えます。
こんなセリフは花苗以外には言えなかったはず。

でも、周囲から見れば、気を持たすだけ持たす嫌な男になるわけですけどね。


小学生の頃の夢が宇宙飛行士であり、やっぱりロケットに興味がある
花苗が行った「ロケット搬送スピードは時速5キロメートル」にビクッと反応

その晩の貴樹のメール。ロケットになぞらえて

それは本当に想像を絶するくらい孤独な旅であるはずだ
本当の暗闇の中をただひたむきに
一つの水素原子にさえめったに出会うことなく
ただ ただ 深淵にあると信じる世界の秘密に近づきたい一心で
僕たちはそうやってどこまで行くのだろう

これを明里に打つんかいなと思うかもしれないけど、明里は小6年で科学部に入ったり、アウストラロピテクスやカンブリア紀などで貴樹と話すくらい2人は詳しく、秒速5センチメートル云々の話もするほどの学力があるので、この手の話もわかるはず

これが2人の世界観ってやつなんだろうなあ。
まさにロケットの心情なはず。孤独な旅を5年も続けてきた貴樹の思いを知るメール。

そして、メールを削除し、新しいメールを作成する。

手紙を出すのをやめたのはどちらだったのか、はっきり覚えていない。
それ自体重要なことではなかった
もう、手紙に意味がなくなっていたから。
互いの現在を掴みかねてつながりを断つような核心に・・・
二人の絶対的な乖離に触れるのを避けて
当り障りのない空疎な言葉を並べただけのものになっていたから
僕らはずっと一緒だと思っていた
もう二度と会えなくても、この思いだけは変わることはないと

2人がお互いを想い続けたいという思いも栃木と鹿児島の距離には勝てない、ということを理解しつつも、それを認めたくない。
でも、それを認めざるをえない現実を見た時に、手紙なんてものは2人にとっては意味がなかった。

第3者が考えるよりも、2人の世界は広くて、深く深く通じあっていた。
きっと言葉では表せないくらい。
文通を続けていって、それがわかったのかもしれない。言葉で表現できない、言葉には意味がないと。

貴樹が求めているものは明里のそばでしか得られないものであり、それは不可能だという現実を認めたくなくて、出口のない迷路に迷いこんでいるものかも。

現実的に前に進もうにも明里への想いを裏切るのかと、小学校の自分が問い詰めている。

高校生の貴樹は、明里に片思いをしているという純粋な気持ちではなく、小学生に約束した思いを忠実に貫き通そうとできない自分を責めるようなものだったのかもしれない。




3.another side

1巻の最後にそっと3ページ挿入されている高校生(?)の明里の話

とある男子に明里が告白される。
「返事、待ってくれないかな」と答える明里。
貴樹に手紙を書こうとするが、書ききれない。

以下がその手紙の内容。

貴樹くん
ここには貴樹くんがいません。
岩船駅に着くと貴樹くんの気持ちを感じます。
でも、それも、だんだん薄れてしまいました。
貴樹くん、好きな人はいますか?
私の知らない場所で何を思っていますか?
私たちはもう思い出なんでしょうか

貴樹は幻想的な手紙を書くのに対し、明里は直球。

明里サイドから見ると、手紙が途絶えてしまったのは、距離とともに想いや依存度が低下してしまったとも捉えられます。
新しい場所で新たな出会いがあり、そこでの生き方を学び、自分の心を埋めるやり方も見つけられたのかもしれません。

小学校時代(中学校も?)の明里は世界は貴樹が全てだった。
でも、それがだんだんと世界ではなく、好きな人、好きだった人という風に変化して、自分の世界が一気に広がっていったのかもしれない。

おそらく、この男の子と付きあいます。
映画の3話で曲が流れるシーンで、明里と男の子と歩きながら郵便ポストを見るシーンがあるので、整合性があるはず。

明里が高校何生かはわかりませんが、この辺りで、貴樹を思い出にして、今を生きることを決意したのだと思います。
今を生きるからこそ幸せに生きられる。そんなメッセージが込められているような気がします。
‐‐ここで1巻終了‐‐




4.コスモナウト(2巻)

花苗はサーフィンの波乗りが成功し告白しようと決意する。
2人で帰ってコンビニ(?)で飲み物を買うシーンでは、いつも迷う明里がすぐに決める。
貴樹がいつも飲んでいる分のミニ版。

花苗が告白しようと貴樹の袖を掴む
振り返る貴樹は冷たい目で「何も言うな」と睨む
花苗はこの瞬間にようやく悟る。彼は自分を見ていないということに。

気持ちがないなら優しくしないで欲しいと涙が溢れてくる。
その時、ロケットが発射され、それをいつまでも見続ける貴樹。
きっと私ではない何かをずっと見ていたんだと悟る花苗。


花苗に焦点を当てると、貴樹が好きだけど告白できない、そんなもどかしい気持ちを抱いたままだった。

彼女の中では時間が止まっていたのかもしれない。

それが前に進もうと考えたときに、半年ぶりに波乗りに成功し、告白する勇気も持てた。

しかしながら、待っていたのは告白も許されないつらい現実。
前に進もうとする彼女を、前に進みたくない貴樹が止めてしまう。

明里を思い出にできていれば、2人はもっと早く付き合っていたと思うけど、現状維持が手一杯だったわけですね。

告白も許されない、というのは花苗につらすぎますね。
これが貴樹の犠牲者1人目ですね・・・。




5.秒速5センチメートル

遠野貴樹、水野理紗、明里篠原が登場。
おそらく28歳前後の話で、映画版では大きく割愛されていた部分が描写されています。
メインは理紗目線。

貴樹は何人か付き合ってきたが前に進めなかった。
そして、出会った理紗に対しては前に進められる気がしており、3年も付き合っている。

貴樹はSEとして東京で働いていたが、仕事を辞めたいと彼女に言う。
物語とは前後するけど、貴樹は会社では、入社以前の敗戦処理のプロジェクトに組み込まれ、リーダーと対立して、全作業を自分一人でやり、仕事に追われる日々を送っていた。理紗と会うのは3ヶ月ぶり、というところにその多忙さが現れている。

SEの仕事は嫌いではないけれど、仕事の日々で精神は蝕まれて、心の弾力がなくなっていった。
その結果として、プロジェクトの目処が立ったので、仕事を辞めると理紗に伝える。

中・高・大と環境に恵まれて心のバランスをなんとか保ち、前に少しずつ進もうとしてきた貴樹。
しかしながら、会社で激悪な環境に放り込まれ、追いつめられて、精神的に参ってしまった


そんな時に、理紗からは上京してくる親にあって欲しいと言われる。
貴樹は仕事を辞めるし、理紗の親には会えないと答える。しまいには「オレ今は将来とか考えられない」とまで言ってしまう。

殴られて仕方ないいいようですよね・・・なんだこの無責任男は、、、という発言。
タイミングが悪かったとも言えます。


理紗を避ける日々を送る貴樹。
諦めきれない理紗は貴樹を会社の前で捕まえる。

理紗がちゃんと向き合って欲しいといい、貴樹は決意をして、自分を囚えている岩船に連れて行くことに。
岩船に向かう道中、貴樹は理紗へメールで心境を吐露する

直接言えないほどに、彼の昔の想いはトラウマであり、触れてはいけないものであったわけです。
それをメールであれ、話そうとする貴樹にとって理紗は特別な存在であるわけですね。


高樹の語りを断片的ではありますが追いかけます。

心が見えない、優しくしないで欲しいって何度も言われてきた。

種子島から日常に流される自分をこれは本当の自分じゃないとずっと思っている。
本当の自分が外から見ている気がする

中学生の時の想いを保てなかったことが、自分がずっと許せなかった。
ほかの人を好きになることを敗北だと思っていた。
許せないまま見ないふりして流されて
明里と会えるととか待っているとか思っていない。けど、他の誰かと未来を誓うなんてできない

岩船駅に着く2人。
先に降りる理紗。

「貴樹くん」そう言われ、踏み出そうと思っていた貴樹の足が止まる。
そこに理紗ではなく、昔の明里の姿を重ねてしまった。
貴樹は岩船で理紗と降りることができなかった。彼女を置いてけぼりにした

しばらく後に、我に返る貴樹。だけど、彼女はもういなかった。

後日。貴樹は理紗の家を訪ねる。
理紗は気持ちが吹っ切れており、「ごめんの言い合いはやめよう」と貴樹に言う。
貴樹はこの前言えなかった気持ちを言う。

明里に言いたいことは何一つ言えなかった
誰にもいいたくない不可侵の感情だった。その結果、何人もの人を傷つけてきた

明里と別れる時、彼女を守れるくらい強くなりたいと思った。それが生きる指針だった。
強い後悔ともっと速くもっと真っ直ぐに ここは自分の居場所じゃない。こんな自分は自分と認めない。そんな切迫感だけ残ってしまった

これが貴樹を縛り付けてきた正体ですね。
高校生の時に、遠くを見つめながら花苗にいった「余裕がないんだ」発言はここが由来。まさに過去の呪縛


理紗は「だからもう 約束を果たせなかった自分を許してあげてほしい」と彼に言い、別れを告げる。
貴樹をまだ好きであるけれど、彼とは前に進めないという感じでしょうか。
お互いに言えなかった気持ちを言えたので、いい形での別れだったのかも。

貴樹が仕事をやめ、駅のプラットフォームで電車を挟んで、貴樹と理紗が出会います。
理紗は少し切り、パーマをかけていることからも、貴樹を忘れて前に進もうとしている様子が伝わります。

理紗はここでフェードアウト。理紗に幸せな恋ができることを応援します。
映画版では理紗との絡みは一切なく「あなたに1センチも近づけなかった」と別れメールが来ていましたね。



実家に帰り、再び東京に戻る明里。
祐一という男性と結婚する模様。
実家で荷物整理して、昔書いたラブレターを発見し、貴樹を思い出す。
貴樹を待つ明里が書いたラブレターの一部。

貴樹くんがこの先どんなに遠くに行ってしまっても、私はずっと絶対に好きです。どうか、どうか、それを覚えていてください

そんなラブレターを見ながらも、貴樹の幸せだけを祈れるようになったと、幸せそう。

明里は貴樹のことを思い出にでき、そこから前に進みながら人生を歩んだ。
今は結婚する祐一に気持ちが真っ直ぐに向かっている。

明里の描写がほとんどないということは、必要がないということであって、彼女はおそらく高校生で貴樹を思い出にでき、そこから前向きに人生を歩めたってことでしょうね。

だから、「昔大好きだった人がいた」という感覚で話ができるはず。

誰も思わないと思いますが、明里は薄情ではなくて、自然な流れですよね。むしろ引きずりすぎたくらい。
貴樹はもっと重症であり、鬱です。
今を生きるってことが大事、これがテーマかなと思いつつ。




貴樹は仕事をやめ、誰とも合わず。
再就職の面接を受けるがだめな模様。
しかしながら、理紗の捨て身のアタックのおかげで彼も現在の自分を受け入れ、誰かと本当に向き合えるようにしようと前向きな思いに変わっている。


季節が変わり、貴樹は宇宙関連の会社に就職した模様。表情も心なし穏やかに見える。
明里は結婚したようだ。
桜の季節。

踏切ですれ違う二人。

貴樹の心に、中1の別れ際の明里の言葉がよみがえる
「貴樹くんはこの先も大丈夫だと思う。ぜったい」
明里は? 明里は? と電車が二人を隔てる間に問いかける


電車がいなくなって、その向こうに明里の姿はない。
貴樹は微笑み歩き出す。
踏切の向こうから、小学校時代の明里が貴樹の後ろ姿に手を振っている


映画版では圧倒的に描写が少なかったこの3話。
踏切ですれ違った2人ですが、明里は振り返らずに、貴樹は振り返る。
電車を見つめながら貴樹は「明里は?」と問いかける。

貴樹は明里が振り返らなかったことで、明里は過去の呪縛に囚われておらず、ちゃんと前を向いて歩いていることを確信したのではないでしょうか。
文通が途絶えて以降、10数年音信不通の明里が大丈夫でよかったと安堵したのでは

それが彼の笑みにつながり、ちゃんと向きあおうと思っていた自分を後押しになった。

漫画版の小学生の明里が手を振る姿は、
きっと、彼の過去の呪縛だったんでしょう。ようやくさよならができた。
見送る小学生の明里も穏やかな表情をしています。


心にぽっかりと空いた穴は埋めなければならないと言われます。(寄生獣でもそういう描写があります)
彼は岩舟駅ではないかと思って理紗を連れて行ったが、そこではなかったんですよね。昔の明里が、過去の呪縛がそこには待っていた。
本当の意味で呪縛をといてくれるのは明里だった


ありきたりかもしれないけど。
だから、明里が後ろを振り返らなくてもどうでもいいわけですよね。
明里は自分の人生をきちんと歩いている。

彼は明里への思い出はなく、過去の呪縛に囚われたままなわけで、明里とやり直したいわけではないんです。
(理紗となら前に進めると思ったのが付き合った理由ですから)

ちなみに、彼が笑みを浮かべるのは大事件ですよ


いつも虚ろな表情で、誰とでも優しく接していた、つまりどうでもよく接していた彼が、初めて穏やかな表情を作れたわけですからね。
彼もこれで前にすすめるようになったでしょう。




6.最終話 花苗の話

なぜか花苗の話・・・ちょっとがっかりしました。
映画のレビューを見ると、花苗が主役のコスモナウトの人気が高いのが伺えるので、オリジナルストーリーとして書いたのかもしれませんね。

明るく生きてきたが、うまく恋愛はできずに独身のまま大人になった花苗。
プロサーバーの亮に告白され、自分が過去の貴樹のことを引きずっていたことに気づく。
気持ちを整理するため、貴樹に会いに東京へ。

しかし、仕事をやめたために貴樹には会えず、なんとか電話番号を手に入れて、花苗は吹っ切れる。
「その気になったらどこにだって行けるし、どんなに遠い存在も本当に求めれば繋がれるんだってわかったの。だから、もう大丈夫」と亮に伝える。
告白の返事はNoだったんですけどね。

種子島に戻ると思った矢先に、たまたま現れたのが・・・おそらく貴樹。で、終わる。

花苗も貴樹の呪縛にあっていたのかと思うと可哀想ですが、前にすすめるようになってよかった。
くらいにしか思い入れもなく。

最終話を見ていたら、大恋愛のトラウマをいかに乗り越えるかがテーマなのかなと思いました。


明里は割りと早めに立ち直れた。
花苗は苦しむほどじゃなかったけどもやもやして、それがはっきりとわかり、立ち直れた。
貴樹は長年苦しんだが、理紗の捨て身のアタックのおかげでようやく自分のトラウマと向き合い、立ち直れた。

トラウマの乗り越え方は人それぞれであり、ペースもそれぞれ。それでいいのかなと。

最後に花苗と貴樹が再開する予感ですが・・・。
前に進む準備ができた2人だけに、新たな恋の予感がします。




終わりに

今を生き前に進むことの大事さ、大恋愛のトラウマをいかに乗り越えるか、この辺がテーマだと考えるとずいぶんとすっきりしました
登場人物たちは見事にそれを乗り越えていけたと思えたから。

それを映画ではわざとカットして、誰もが経験したであろう大恋愛のトラウマはグサッと刺す手法を選んだのでしょうね。


うーむ。。。
視聴者は映画の説明不足を自分の経験でその空白を埋めようとするから、痛い、ささる、囚われるんでしょう。
漫画版の説明があれば、ここまで苦しむことはなかったであろうけど、映画の持つ意味合いは大きく変わったでしょうね。

 
かなり長くなりましたね。ここまで読んでいただきありがとうございました。
次は小説版でいきます。続きは下記リンクより。では!

1.映画「秒速5センチメートル」に釘付けになった ネタバレ感想
今 → 2.マンガから読み解く、映画「秒速5センチメートル」 ネタバレ解説
3.小説one more sideから読み解く、映画「秒速5センチメートル」 ネタバレ解説
4.新海誠監督のインタビューから考える映画「秒速5センチメートル」 ネタバレあり
5.新海誠の小説から読み解く「秒速5センチメートル」ネタバレ解説
6.秒速5センチメートルの旅の終わり~映画、小説、漫画の総括をします。ネタバレあり

コメント

  1. ましゃ より:

    はじめまして。映画で興味を持ち、漫画や小説を読んでみようかな・・・と思っていた者です。ブログで読ませて頂いて、ちょっとすっきりしました。ありがとうございます。正直、ブログ読んでから、即漫画をよみました。ちょっと花苗が自分にかぶってしまって・・・。

    私も昔、荒れた中学時代に心を救ってくれた女性(向こうはそんな気はなかったでしょうが)をだいぶ引きずりました。仲は良かったのですが彼女はスポーツに打ち込んでいたのもあって、告白できず(花苗のように告白が許されなかった・・・・何も言わないでこのままでいよう・・・的な感じで)。彼女はのちにスポーツ特待で有名私立にいきました。私もその高校に合格しましたが、少し気持ちを察して別の高校にしました。その後は高校でも付き合った方もいましたが「本当は好きではないでしょ?」とか言われて別れて・・・。

    ただ後は明里路線で、今は大学時代に付き合った女性と結婚して子供もいて勤め人です。でも、一歩ちがえば私も花苗のような生き方ありえたかもしれない・・・。秒速5センチメートル、奥が深いです。花苗には幸せになってほしいですね。

    • Mori より:

      こんにちは!同じような経験をされた方もいるんですね
      まさに刺さりまくりの映画ですね
      自分はそういう経験はなかったですが、それでも刺さりました・・・

      報われる恋をしてもらいたいですね