映画「秒速5センチメートル」に釘付けになった ネタバレ感想

Huluで新たに配信された映画「秒速5センチメートル」を見ました。



監督は新海誠さん。Huluで同じく配信された「言の葉の庭」も見ました。過去記事 ↓
Google+経由で知ったアニメ監督、新海誠さんの作品たち。 いつかは見たいなと思っていたんですが、なんとHuluに登場しました!! ...
まあ、、、何気なく見たら、もう釘付けになってみてしまいました。。。

映像美もさることながら、そこで描かれている物語もじ~んと来て、心を鷲掴みされちゃいました。
新海監督の作品で比較するなら、「言の葉の庭」より断然よかったですね。
とはいえ、新海節は健在で、すごく感情を揺さぶられる作品なので、見る人を選ぶと思います。


以下、感想を書いていきます。ネタバレしますのでお気をつけを。





1.桜花抄

冒頭から「ませた小学生だな・・・」と感じましたが、内向的な2人の少年少女で、趣味は読書。
精神年齢も高かったのかもしれません。
3話構成の中で一番好きなのは、この桜花抄ですね。

両思いだった貴樹と明里の2人は、なんとなくわかっていたんだけど、それが言葉に出来ない、明確なものにならない、微妙な間柄。
よくある通り、引っ越しで離れ離れという・・・

で、会いに行くのはいいんだけど「なぜ、土日にしない??」
・・・。

と冷静なツッコミを入れたくなりますが、ドラマのため。
3月なのに突如として降り積もる雪。
東京から栃木へ電車で向かえば遅れる・・・。



会いたい気持ちが募り、相手がいるかどうか、不安な気持ちも積もっていく。
この心境はたまらなく切なく、苦しく、見ている側も「電車が早く動いてほしい」と思わずにはいれませんでした。。。

もうこれ以上やめてよと思った瞬間に電車が停まり、電車内に2時間待たされるという、、、「新海監督はどSだな」
視聴者は2時間待たされてないけど、2時間待たされたくらいに辛い。
相手が中1だからかもしれない。早くなんとかしてあげたい。

くそ、携帯があれば!!


ないみたい。
経験があるような、ないような、このやるせない状況。
でも、明里は待ってくれていて、・・・結果、外泊ってね。。。

親は心配しないのかな・・・と思いつつ、きれいな思い出をつくって終わる。
ああ、よかった。



2.コスモナウト

時代は過ぎ。おっと、高校生3年生。5年経過か・・・。
種子島にいったようで、スーパーカブで登校とか島ルールすごすぎ。
主人公は貴樹にずっと片思いしている香苗にバトンタッチ。

彼を見つめ続け、片思いをし続ける。
貴樹は時々、誰かにメールを打っている。


1話の余韻があるので、「離れ離れになっても、きっとうまくいっているんだろうな」って思ったら、


メール打つふりかよ・・・


やられたね。完全に。。。

まああ、、、正直なこというと、その前から薄々感じてました。
前髪が長い、生気のない表情や話し方。

彼女とうまくいっている男のものとは思えない




香苗自身も、彼の心が空洞なことに気づいてよかった。
大学生になれば、きっと新しい恋に出会えるよ。

にしても、、、心にぽっかりと穴が空いてしまった貴樹は、出せないメールを打ち続け。。。

出せよ!


と思いつつ。内向的だから・・・仕方ないかもしれない。
東京と栃木であれば会いにいけるけど、種子島と栃木ではねえ・・・。
住む距離と心理的距離は比例するそうで、2人が破局するのは当然の原理ではありますが。

引きずってもしゃーないしなあ・・・。
日々迷っているという迷言を残しつつ

東京受験で何かが変わることを期待して、フェードアウト



3.秒速5センチメートル

3話目のタイトルが秒速5センチメートルでした。
ちなみに、秒速5センチメートルは50mを10秒で走る小学生くらいのスピード。

って思って見たんですけどね、

ああ、桜が落ちるスピードかあ


風流だな・・・。
さて。

山崎まさよしさんの挿入歌がすごくよかったなあ・・・って、あれ。

えっ、これで終わり・・・?



そんな感じであっという間でした。
明里の描写はほとんどなかったですが、誰かと結婚するようで、貴樹のことはもう思い出になっており、彼にあげるはずの手紙でようやく思い出したレベル。
そして、貴樹に伝えたい事がある、とメールする。

貴樹の方は、未だに明里のことが忘れられず、もはや過去の亡霊に取り憑かれた状態。
あの抜け殻さは、ぽっかり空いた心は未だに塞げずにいるし、そもそも、彼は今を生きれていない。
仕事もやめちゃった。

そんな中で、明里っぽい人とすれちがい、振り向けば電車に邪魔され、

もう1台くるんかい!

って思いつつも、明里っぽい人はいない。
そして、貴樹は口元に笑みを浮かべ、再び歩き出す。

ようやくこの瞬間に、自分が作り出していた明里という過去の亡霊から救われたのかもしれない。


まあ、何にしても、過去の描写が挿入歌とともに一気に流れますが、ポストを確認する2人が描写されてますね。。。
それなら、手紙書けよって思いつつ。
でも、それぞれの場所で、それぞれの人生を送らないといけないんだよな。
そこにはいない人間に思いを寄せて踏みとどまることがいいことなのかどうなのか・・・。



4.見る人を選ぶという話

ネットを見ると、これが新海節だ、というレビューもありました。
1時間のストーリーで、物語は直接的ではなく、間接的に進んでいく感じがして、

置いてけぼり感が強い


んだけど、でも、妙に心に焼き付いてしまう。
それは物語がすごいとかじゃなくて、見ている側の記憶に作用し、思い出させるから。

貴樹のように過去のことが忘れない人間にとっては辛い話であり、「もう二度と見たくない」と言わせる。
過去をきちんと思い出にできれば、その当時の感情が蘇ってきて、それが大人になると、なかなか味わえない「青春の味」なわけで、心を鷲掴みされる。

物語うんぬんよりも、ここが狙いかも。

とはいえ、ぼくはセンチメンタルな方ではないので、ストーリーの機微を明かして欲しいなという気持ちが強いです。
そもそも、2人が疎遠になった理由、明里はどうやった立ち直ったか、最後の描写の謎、2人が書いてそれぞれ渡せなかった手紙の内容。



5.もやもやが解消したい

明らかにされない謎を調べるのが好きです。
そういう意味では、もやもやがある方がもっと楽しめて良いわけで、もやもやを残せるくらい伏線を張り、設定を密に詰まっている作品であるとも言えるわけで。
村上春樹さんの小説なんてまさにそうですよね。エヴァンゲリオンも。

本作品はある意味で、このもやもやを残すのが狙いかもしれませんが、もやもやがあるままで生活はできません。。。
なんか、それだけ心を揺さぶられた気がします。
それが一体何なのかを突き止めたい、そんな衝動にかられています。

秒速5センチメートルは小説が2作あります。


こちらが本編


そして、こちらが別解釈の物語



レビューを見れば、映画では描かれなかった詳細なことがかかれてあるようです。みることで多くの謎や自分なりの解決ができるはず。またマンガもあるので、満足できるほどに解決できるはずです。




どうも小説から読んだ方がいいらしいのですが、とっつきやすいマンガからいきたいと思います。
続きは下記リンクより。では!

今 → 1.映画「秒速5センチメートル」に釘付けになった ネタバレ感想
2.マンガから読み解く、映画「秒速5センチメートル」 ネタバレ解説
3.小説one more sideから読み解く、映画「秒速5センチメートル」 ネタバレ解説
4.新海誠監督のインタビューから考える映画「秒速5センチメートル」 ネタバレあり
5.新海誠の小説から読み解く「秒速5センチメートル」ネタバレ解説
6.秒速5センチメートルの旅の終わり~映画、小説、漫画の総括をします。ネタバレあり

コメント

  1. よしよし より:

    ずっと見たい見なくてはと思っていたのですが、何かと忙しくてスルーしていましたこの作品。しかし、今日は何故か引きつけられるように見てしまいました。私もhuluに登録しているのでそちらで。
    もう即見入ってしまい気づけばこんな時間。見終わった感想はとにかくツライです…本当に鬱になりそうです><
    終わった後の虚無感を脱した後は、いてもたってもいられず、この作品関連のことを検索していました。そしてこのブログを見つけた次第です。(前置き長くてすみません)
    Mori様の感想に共感を覚えて少し癒されました。。ツッコミが的確で面白かったです!しかしやっぱりツライです(>_<)モヤモヤがめちゃ残るし、現実ってこんなものかもしれないなあとか、すごく感動したのに後ろ向きな感情が出てきてしまって大変です。
    なぜ上手くいかなくなってしまったのかとか、手紙の内容とか、第三の女性?とかモヤモヤの原因はわかっているのですが、これ以上踏み込む勇気が今のところはなくてただただ落ち込んでいます(T_T)
    どうしようもないコメントを長々とすみません(汗)

    • Mori より:

      >よしよしさん

      もうお疲れ様でしたとしかいいようがありません。。。
      ぼくも見た当初は本当にやりきれない思いでいっぱいでした。完全にやられた・・・と。
      ただ、小説を読んだりして、もやもやを解決したら、立ち直ることができました。
      読むならマンガがおすすめですよ

      • よしよし より:

        こんにちは。結構前の記事でしたのに、返事をいたただけるなんて嬉しいです!
        Mori様は解決して立ち直られたのですね。羨ましいかぎりです!少し時間が経ったのと、助言していただいたこともあり、やはり私もモヤモヤを解決させるべきではないかとようやく思えてきました。マンガがおすすめということでしたので、まずそちらから試してみますね♪
        Mori様は他にもいくつか記事を書かれているようなので、マンガや小説にチャレンジしたあとに、また答え合わせの様な気持ちで他の記事も拝見しに来たいと思います。ありがとうございました\(^-^)/

        全く関係ないのですが、「誰かのいつかに役立つために」ってすごく良いコンセプトですねbb

        • Mori より:

          ありがとうございます!
          コメント自体は通知が来るので、ちゃんとチェックできるんですよ。

          もやもやが解消されると大丈夫です。きっと。これも人生経験になります!
          という感じでしょうか。

  2. ひろぴ より:

    映像が素晴らしいので入りやすい作品でした。単純に良いフィルムだと思います。タカキが本当にアカリと一緒になろうと思ったら、「大学はお互い東京の大学にしよう。東京であれば違う大学でも構わないから。それまで手紙とか電話で連絡するよ。そして大学卒業したら。。。」くらいのことを言うか手紙に書くくらいすればアカリと結ばれたのではないかと思います。その後漫画を読みました。間のもやもやが大分解けたけど、今度小説の方も読んでみようと思います。ま、しかし切なさというか何か刺される感じですね。鑑賞者にああすればよかったのでは、こうすれば良かったのでは、と考えさせるのだから大した才能の監督です。まるで見ている方が失恋してしまったかのようです。^^;

    • Mori より:

      >ひろぴさん

      まさにおっしゃる通り。このもやもや感、自分が失恋したかのような入り込み感。半端ないですね。
      遠恋というのはとても難しいものですね

      • ひろぴ より:

        >遠恋というのはとても難しいものですね
        そうですね。それも子供から大人に成長する時期ですからなおさらです。
        お互いが自立して行く時期なので、遠いところにいると相手にとって自分が必要なくなるんじゃないか?ということになります。成長して行くことは相手にとって良いことなのだから邪魔しないというか引いてしまう。
        だから自分も成長して「偶然に再会したらそのとき。。。」という思いがあったのでしょう。
        漫画の方でそれはもっとはっきりしてきます。
        アカリの前にリサと偶然駅で会ってるけど「いやこれは偶然じゃない」というようなくだりがありました。
        アカリとは偶然にすれ違ったのだけれど、結婚していたのでアカリは振り返れませんでした。
        タカキはそれを受け入れました。
        種子島にいるころロケットがカナエとタカキの前を通りかかるとき、カナエが「時速5キロメートル」と言ったのにタカキは反応しています。アカリのことを思い出したのか、あるいは運命の赤い糸がアカリからカナエにバトンタッチされたのか。アカリとのトラウマが解消した後タカキはカナエと偶然再会してエンド。

        Moriさん、本当にありがとうございます。
        もやもやを書き出してそれを誰かに読んでもらって立ち直るきっかけになっています。
        嫁に読んで貰うのも気恥ずかしいので。。。

        「「誰か」の「いつか」に役立つために。」
        良い線いってるんじゃないですか?

        • Mori より:

          こんばんは!
          マンガを読まれたんですね。

          そういえば、マンガの最後の展開は「おっ!」と思わせてくれますよね。
          そうして、若干のもやもやを残しつつも・・・。

          この秒速5センチメートルは本当に強烈な映画でありますよね。
          ぼくはもう何も感じませんが、ひろぴさんも立ち直れそうでよかったです!

          • ひろぴ より:

            はい。おかげさまで自分もどうやら復活できました。若い人たちを見ていると、この数年このくらい辛抱すればその先はこのくらいのことができるようになるだろう、というのをイメージ出来ているのは10%セントもいないと思います。タカキも普通に東京の大学に行けばやり直せるということが想像できないところに共通したものを感じます。学生の指導をどうするべきか教えられるところがありました。

          • Mori より:

            復活できて良かったです!!
            映画の副作用強すぎ・・・。最近の学生ですか。そうなんですね。
            なかなか将来を考えることが難しいのかもしれませんね。

            タカキは、ウジウジするのが好きというか、自分の世界が強すぎたんでしょうね。最後は前向けたのでよかったですけどね。
            歩き出せるときが来るという感じでしょうか

  3. しげ より:

    みなさんと同じように、秒速…を観て彷徨える人になってしまった者です。
    早く小説か漫画で補完しなければ息苦しくてたまりません。
    よもやこの歳(50)になってアニメにやられてしまうとは思いませんでした(汗)
    私は音楽にもやられてて、桜花抄のBGMを聞くだけでリアルな世界から引きずり落とされてしまいます。
    One more time one more chanceはリアルに聴いてた世代ですが、今はこの曲が流れてきても
    秒速…が上書きされ、昔の記憶が蘇らなくなってしまいました…困った。。。
    Moriさんブログを見つけて同じような人がいるのだなと、少し安心しました。
    私には漫画の方が自分的に決着がつきそうなので、そちらを見ようと思います。
    とりとめのない文章せすみませんでした。

    • Mori より:

      こんにちは!
      とてもよくわかります。。。本当にもうダメージを喰らいますね・・・。
      BGMもたしかに!!
      あれから一度も聞くことはなかったですが、、、思い出せばそうですね。

      漫画はちょっと違いますが、すっきりする部分もあると思います。
      あとは時間とともに・・・

  4. 匿名 より:

    年齢とかは関係ないんじゃないですか。
    所詮アニメですが、特筆すべき作品です。
    自分も観た直後同じような状態で、仕事仲間の中国人の男性からのメールの返信でこのアニメしってる?と聞いたら、数年前の失恋の経験を長々とメールで書いてきました。
    別の仲間でやはりこの時期メール貰ったウクライナの女性にも知ってる?と聞いたら、体験談こそないですが、似たような反応でした。それでも喪失感が消えず、自分もとうとうこのブログにたどり着きました。
    老若男女も文化圏も関係なく、同じような反応の人は世界中にたくさんいるのだと思います。