書評:あんぽん 孫正義伝(佐野 眞一)~週刊誌の記事として読む一冊

自伝はビジネス書として読むのもいいよ、というわけで、孫正義社長の自伝を読むことにしました。
孫さんを題材にした自伝はいくつかあるようで、某有名著者が「いい!」と書籍の中で書いていたので、「あんぽん 孫正義伝(佐野 眞一)」を読みました。

先に書いちゃうと、胸くそ悪くなる書き方で、読み進めながら辟易しました。
それに孫正義よりも、孫家三代(孫さん、パパさん、じいさん)に注目してますので、、、なんだかなあ・・・
著者の佐野さんは、他の孫本よりも「100倍面白い」と自画自賛しています。




1.著者の人間性を疑う

本書はそもそも、週刊誌に連載された内容を書籍にしたもの。
だからか、読者ウケするように過激に煽って書かれてあります。

読めば読むほど、著者の底意地の悪さ、性根の悪さが嫌というほど出てきます


佐野さんは孫さんが「30年後に紙の本はなくなる」と発言したことに、とてつもなく腹を立てて根に持っており、本文中に何度も何度もその発言を避難してます。
なのに、本人に直接クレームをつけることはせず。なんだろう??
週刊誌の連載だから、毎回、毎回その鬱憤を書き連ねる必要があったのでしょうが、本にする場合は1回、いや、書かなくていいでしょう。

あんたのうっぷんを晴らすためのものじゃないでしょうね

もう、、、佐野さんという人の人間性を疑ってしまいます。
人を揶揄して、話題を呼び、お金を稼ぐ、そんな人としか思えません。ここに良心が感じられない。
「ジャーナリストだから」という自分勝手な正義をかざしているとしか思えない。


それに、タイトルの「あんぽん」は、孫さんの本名は安本(やすもと)で、子ども時代に韓国人だからと差別された時のあだ名が「あんぽん」なわけです。
差別時のアダ名をタイトルにつける神経もどうでしょう?

また孫さんのことを「在日」「ブタの糞尿にまみれた」「胡散臭い」と何度も繰り返し書き続けるのもいかがなものか・・・。

もう、自伝とかいうレベルじゃなくて、ただの週刊誌の記事でしかありません。
ここには客観性はなく、ただの主観で売上至上主義があるだけ。




2.孫三代の話

孫さんは未来を見据えてビジネスを展開しており、佐野さんは歴史にこそ価値があると昔を見続けている人間。
だから、佐野さんは孫さんが気に入らない。歴史を軽視しすぎている。だから、うさんくさいのだと。
ぼくからすれば、佐野さんが「ただの時代遅れな人」であり、新しいことを良しとしない足を引っ張り続ける人間でしかないんだけど。

世の中にはバランスが必要だからこそ、こういう人も必要なんだろうなとは思いますけどね。


さて、過去ばっかり見ている佐野さんだから、孫さんの大成功も孫家代々ルーツにあると主張して

アメリカ時代のことや奥さんにインタビューさえしてないんです


どうも糞尿にまみれた極貧孫一族がよっぽど面白いらしく、著者も孫さんの今よりも「孫家代々の物語の方がずっと面白い」と書いてますし。
もう、、、何考えてんだろうか・・・と。



終わりに

こういう書き方をしていると「孫信者め」と言われそうですが、そんなことはありません。
孫さんの自伝だと思って読んだのに、著者の興味関心と主観的で利己的な書き方で辟易し、さらには孫家のルーツを詳細に書くことについて意味がわかりません。

自伝という意味合いで読むのではなく、週刊誌の記事という位置づけで読まないといけません。