書評:人の心が手に取るように見えてくる(出口 光)

人の心がわかればどれだけいいだろうか・・・。
そう思ってやまない人も多いはずです。

そんな夢を叶えてくれそうなタイトルをつけているのが、本書「人の心が手に取るように見えてくる(出口 光)」です。

興味本位ではありますが、手にとって読んでみました。
本書の特徴は人間の本質を4つにわけ、どれが一番強いのかを2つの質問で明らかにし、4つに分類する方法と具体的にどのように付き合っていったらよいかを提案してくれます。




1.四魂の窓

著者の出口さんは宗教家の家系のようで、宗教を信仰していないぼくからすると文体や内容に若干の違和感を感じます。
著者自身は心理学を学び、哲学博士であるなど研究熱心な方です。
人間の心を知りたいという一心で研究したところ、人間の心は1霊四魂(「勇」「親」「愛」「智」)から成り立っているのではないか、という確信に至ります。

そして、その四魂の状態を知る100問のテストを開発できました。
ところが、100問は多すぎるということで18に絞ることができたが、それでも現実的ではない。
それで直感としてある時閃いたのが2つの質問だそうです。その質問とは

1.あなたは情熱的ですか、それとも冷静ですか?

2.あなたは、合理的ですか、それとも情緒的ですか


これに答えるだけで人間の心の本質がわかるそうです。
2×2=4通りの組み合わせができます。

       冷静 | 情熱的
合理的 |  智  |  勇

情緒的 |  親  |  愛


情熱的で合理的な人は「勇」の人になるわけです。
これが四魂の窓であり、生き方のベースになるものです。
人生の目的を例にあげておきます。

勇の人は、物事を達成させるために行動する人生。究極は大義。
行動すること、達成することが大事で、やってみないとわからないと考えます。

親の人は、自分を律し周囲に平和を創る人生。究極は大和。
調和を保つこと、関係を保つことが大切で、この場でこの意見をいうのは適切だろうか? と考え、用意周到で段取り上手。

愛の人は、互いに必要とされ幸せな環境を創る人生。究極は大愛。
気持ちが通じるかどうかが大切で、何をしてあげられるだろうか?と考えます。

智の人は、自分なりの美意識を探求する人生。究極は真理。
美しいこと、理解できること、面白いことが大切で、失敗したくない、ムダなことはしたくない、こうすればいいのにと考えます。




2.どう活かすか

この四魂の窓の見方は「ある基準で人間を分類している」だけであって、それが人間の全てではない、と言われるとその通りです。
仕事上でうまくいかない相手がいる場合には、こうした見方はヒントになると思います。

四魂の窓の考え方では対角線上は対立しやすいそうですから、「智」と「愛」、「勇」と「親」の相性はよくないといえます。
本書では、なぜ相性が良くないのか、つまり根本的な価値観や目指す方向が違うからなんですが、それをどのようにしたらいいのか提案してくれます。

また、4つの魂からなるという考えですから、自分が「愛」の人であっても残りの3つの魂もあるわけです。
これらを高めることが次に目指す方向です。

人に会う度にこの4パターンに分けるのは大変ですが、固定的な人間関係を築く職場ではこういう見方でどのように攻略するのかを考えてみるのは面白いと思います。
単純にどの切り口が合うかどうかではないでしょうか。

春夏秋冬理論もある意味では4タイプ分けですから
参考 → 書評:あの成功者たちがこっそり使っている!―「春夏秋冬理論」で今日から運が開く(神田 昌典)

人間関係で困っている人にはヒントになる本ではないでしょうか。