書評:思考は現実化する(ナポレオン ヒル)~楽な成功法はないと昔から言われてきたのがわかる

古典的名著である「思考は現実化する(ナポレオン ヒル)」を読みました。
英語では1937年に発刊されましたが、それが80年近くの日本において読まれているのは驚きです。
内容的には成功哲学の本であると思ってもらえればいいと思います。

面白いのはこの本ができたきっかけです。
ナポレオン・ヒルは鉄鋼王と呼ばれたアンドリュー・カーネギーから「万人に共通する成功哲学」をまとめて欲しいと依頼されます。
参考 → アンドリュー・カーネギー – Wikipedia

そこでナポレオンはYesと答えるわけですが、カーネギーはさらにこういいます。
「まとめるのには20年の歳月が必要で、無報酬でやってくれ」と。

みなさんだったらどうします?
その当時ですでに大富豪であったカーネギーからの依賴です。

ナポレオン・ヒルは29秒でYesと答えたそうです。
カーネギーは「この手の質問に1分以内で答えられる人間でなければ何をやってもだめだ」といい、今までに260人以上に同じ話を持ちかけたそうです。
1分で決断をする大事さを教えられるとともに、ナポレオン・ヒルの大胆な決断には驚かされます。

そもそも、なんで無報酬かといえば、カーネギーが紹介する成功者へインタービューなどの調査を行うのだから、それをどんどん聞けるヒル自身が成功しないはずがないというわけです。
そして、そのとおりのことが起きます。(ある時期には借金を抱えたそうですが)

本書はそうした経緯からできた本であり、圧倒的多数の成功者のエッセンスをまとめた本なのです。



1.成功のための6つの原則

ナポレオン・ヒルは成功ノウハウとして次の6つの原則をまとめています。

1)明確な目標を持つこと
2)プラスアルファの努力
3)調和の精神
4)信念の現実化
5)自己規律
6)自然の法則

見てみると、、、ありきたりな感じがしますよね。
そうなんですよね、結局のところ、成功の原則として今ももてはやされているものは、多少の違いがあっても、同じようなものが多い。
つまり、裏技はないってことです。

本書を読んでみると、

大事なのは明確な目標を持ち、プラスアルファの努力をし続けることに尽きます

当たり前かもしれないけど、その当たり前をやり続けるところが、成功の原則なのですね。


思考は現実化する(ナポレオン ヒル)

2.努力なくして成功はないということ

願望実現のためには次のようなことが必要だと書かれています

1.実現させたい願望をはっきりさせる
2.望むものを得るために、代わりに何を差し出すかを決める
3.願望を取得する最終期限を決める
4.願望実現のための詳細な計画を立てる
5.実現したい具体的願望、そのための代償、最終期限、詳細な計画の4点を紙に詳しく書く
6.紙に書いた宣言を起床直後と就寝直前に大きな声で読む

これまた当たり前すぎて、やる気を失ったかもしれません。。。

でも、これをやっていますか?

ってことなんですよね。
成功哲学とか、成功本とかに期待しているのは「楽に成功できる」じゃないですか?
本書を読んで実感したのは、


楽に成功できないから


ということ。
もう真理だと思いますね。
本書の中で、成功した人の特徴は、、、「何度失敗しても諦めなかった人」です。
諦めるから失敗になるとも書いてあります。

根底はここにあるんです。
ちょっとした努力では成功なんてない、成功する人は心構えが違うんです。
とにかくひたすらにやり続ける。これだけ。




3.思考が現実化するとは

信念というのは考え、つまり思考です。
この思考をより明確な願望、言い換えるなら、物理的な実体や事実(スポーツで優勝、年収◯◯万円など)に転換することによって、思考が現実のものとして現れます。

そこで大事になるのは、感情を伴った思考。
感情が伴っている、願望達成意欲が大きいほど、それは強い信念となり、行動力を伴い現実化させる。
この意欲が大きいほど、「普通に考えると無理だ」という頭が作り出す限界や壁をもぶち破る役目を果たします。

だからこそ、原則の最初には明確な目標が上げられているわけです。
頭が出考えることこそが、唯一の財産であり資産であるとも言えます。



4.決断を妨げる要因

ここからは気になったことを取り上げてまとめていきます。
成功者の決断は素早く、失敗者の決断は遅いことが指摘されています。
近年の本でもよく見られる主張ですよね。

ぼくは決断を先延ばしにしていまう傾向があります。
先延ばしにした判断が正しかったかといえば、NOなことが多く、しかも、初期に判断できたことだったり、遅く決断することで物事を悪化させることもありました。
本書ではその要因をまとめており、気になった部分をまとめておきます。
傾向と対策をすると、決断が早くなるはずです。

1.感情の喪失・無関心 → 安全地帯でうたた寝を決め込む
2.優先順位をつけない → 何が重要なのかを理解していない、目標がない
3.絶望と憂鬱 → 決断どころではない
4.他人への依存、好かれたい強迫観念 → 決断の結果がゆがめられてしまう
5.見栄 → 失敗を恐れる

6.さらに良いものが現れるという確信 → 決断できなくなる
7.もし失敗したらと考え惨めになることを恐れる → 自責の念の強い人の特徴
8.自分への過剰な要求 → 「ああすればよかった」「こうすればよかった」とあとで避難する癖
9.時間ないと思い込む → 時間はある。作る
10.精神統一ができない → セルフコントロールから


思い当たることばかりで、、、特に「ああすればよかった」というタイプです。。。
だから、決断はその場で最善を尽くしたと考えるようにしています。
そして、その場の情報よりもいい情報なんて出てこないとも。

この癖が身につけば、後回しも減るんじゃないでしょうかと期待しつつ




5.マスターマインド

面白いなと思ったのはマスターマインドの項目です。

マスターマインドとは、明確な目標を達成するための2人ないしはそれ以上の人達による、調和された、知恵(そして知識)と努力の協力関係

そう成功とは、1人で成し遂げられるのではなく、同じ志を持つ仲間と達成するものなんですね。
その大事さは「2つ以上の頭脳が調和の取れた協力をするとき、1つの頭脳よりもはるかに大きなエネルギーを生み出すことができる」とも表現されています。

自分で事業を起こさなくても、職場でこういう関係が作れたらいいなとワクワクしたんです。
それが達成されたなら、仕事がもっと楽しくなり、プラスアルファの努力(報酬以上のサービスをすること)が自然とできるようになり、その結果、生産性もスキルも上がるわけです。
ちょっとした考えや志向の違いにこだわるんじゃなくてね。


成功本を、お金持ちになれる方法と翻訳する人もいますが、「幸せに生きる方法」と考えると面白いですよ。
成功=お金ではなくて、生活、感情、環境などありとあらゆるものを指しているからです。




終わりに

人間の本質は、大事なことは昔から変わらないと言われますが、本書を読んでその思いを強くしました。
成功したいと願い、成功した人たちは明確な目標を持ち、努力をし続けてきたんです。
そのことを忘れずにやっていくことこそが成功への道でしかありません。

ぼくは、、、恥ずかしながら成功するための裏技をずっと探してきました。
どこかにあるはずだ、と。
でも、10年近く探してもそんなものは見つからずにいます。

そんなもの存在しないから、とそろそろ諦めがつきそうです。


楽な成功原則があるように思うのは、結局、そういう本を巷に出ているからでしょうね。
人間は楽がしたいわけで、そういう本を追い求める人をターゲットに市場があり、儲けている人がいるんです。
実際にあろうがなかろうが、ビジネス的には儲かればいいのであって、ある意味では幻想に取り憑かれている方が儲かっていいわけですからね。

言い換えるなら、そうやって努力をしない方向で考えているからこそ成功しないわけですよね。
そろそろ夢から醒める時が来たようです。