書評 なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか(裴英洙)

「一流」という同じようなタイトルの本ばかりが目立ちますが、これもその流れに乗った本に間違いないですね。

「なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか(裴英洙)」
(9割というタイトルが売れればそれが流行り・・・。似たようなことやりますね)
とはいえ、「一流」本に関しては一度も読んだことはなかったので、挑戦。


「疲れ」というキーワードが大好きなので、楽しく読み進めることができました。
さて、いってみましょう!



1.目指すのはV字回復

著者の裴英洙さんは、医師であり、経営者であり、コンサルタントでもあるという「3足のわらじ」を履いたビジネスアスリートであると紹介が書いてあります。
そうした複数の専門家の立場から書かれた本で、目指すのは以下の疲れのV字回復




疲れないのは無理だそうです。
そりゃそうだ。

一流の人はこの疲れをうまくコントロールして、回復を図っているからバリバリ仕事ができるわけです。



2.疲れの仕組みを知る

疲れとは何でしょうか?

著者は3つにまとめています

1.肉体的な疲労
→ 筋肉を動かすためのエネルギーが不足している状態

2.精神的疲労
→ 人間関係や悩み事などのストレスを原因とする心の疲れ

3.神経的疲労(頭の疲労)
→ デスクワーク等で眼の神経や脳が緊張した状態が続くことによって起こる頭の疲れ

これらの3つの疲労が互いに密接に関連して、時にしつこい疲労へと成長してしまいます。
大事なのは、今抱えている疲労の主な原因を知ることで対処ができるということ
なんとなく疲れたから、なんとなく休むが一番まずい。

人間は疲れるものと割り切り、そのキャパシティを広げていく、コントロールしていくべきです。


なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか(裴英洙)

3.疲れを翌日に持ち越さないために

疲れはジワジワとゆっくり進行し、「疲れがたまったな」と気づいた時にはかなり蓄積されていると思ったほうがいいと著者は指摘します。
それでも「休めない」と仕事を続けてしまうと、抜けない、こびりつく疲労になってしまいます

だからこそ、疲れのリミットを超える前に、リミットが近づいてきたことを察知し、戦略的に休息し、あっさりと回復することで、素早く戦闘態勢に戻れるように仕組みましょう。


第一歩は、仕事の予定とともに、休息の予定もスケジュールに組み込むこと。
頑張る人に限って、ゆっくり休むべきところも「その時間なら空いている」と言ってしまいます。
休息も大事な用事ですから、ブロックしましょう。

例えば、1日のスケジュールを立てる際、仕事の時間を8時間とするなら、

午前9時から12時までの3時間 + ランチタイム1時間で1セット
午後1時から3時半までの2.5時間 + おやつタイム15分ほどで1セット
夕方4時くらいから6時半くらいまでの2.5時間 + 夕食タイムで1セット

というふうに、その後の休息のスケジュールをまとめて考えるのです。

また、著者は1週間を3日程度で区切ることを提案します。

・月曜日から水曜日まではバリバリ働き、水曜日の夜はノー残業デーにする
・週の後半の木曜日から金曜日まではスパートをかけて乗り切り、
・土曜日、日曜日にゆったりとした時間を組み込む

とにかく、先に休息のスケジュールを組み込んで、仕事を配置するのです。
休息には、体と頭の疲れの度合いに応じて回復プランを数種類準備すると理想的です。




4.疲れを取る「睡眠」の方法

疲労の谷から急回復できない大きな理由としては睡眠が関与しています。
不眠で悩む人が多いと指摘します。
そのため、気をつけたいことは「運動をすること」「寝る前の夕食ドカ食いをなくす」「コーヒーを多飲する」「寝る前の一服」

もしも、当てはまるものがあるなら、1つずつなくすように実行しましょう。
やっぱり、一番当てはまるのは運動ではないでしょうか。

仕事をしているから運動は必要ないという人もいますが、仕事中に使うのは決まった筋肉ばかりで、運動不足に陥っているかも。
ウォーキングをするようになって、調子がよくなりました。
同じ場所にウツウツといるのからも開放されますしね。おすすめです。

そして、徹夜はおすすめできないそうですから。非効率であると。
あと、朝目覚めてから13時間を経過すると作業能率が低下するようですから、頭を使う難しい仕事はできる限り午前にした方がよさそうです。

疲れはどうしても避けられない。
そして、その疲れはどこかで帳尻を合わせないといけなくなっているからこそ、戦略的な昼寝が必要だそうです

眠る時間は30分以内、うたた寝でも横になるだけでもOK、徹底的に体を休めるつもりでやりましょう。
そして、眼が覚めたら脳に刺激を与えましょう。
光を浴びる、階段を上がる、冷たい水で顔を洗うなど。



5.疲れを取る食事は「肉食」にある

一番ハッとしたのがここです。
忙しい日々が続くと、ついご飯をコンビニなどで簡単に済ませてしまいます。

でも、そういうときこそ、肉を食べようと主張します。


というのも、ぼくたちの身体はタンパク質からできてきており、ストレスにもタンパク質が関係しているそうです。
つまり、仕事でタンパク質をどんどん消耗しており、それを補給しなければなりません。
もしも、補給されなければどうなるかというと、筋肉からもらうことになり、身体にがたが来てしまいます。

このタンパク質不足は脳の疲労にも大きく関わっているようです。
タンパク質不足で、体力落ち、脳のパワーも落ちてしまいます。


そこで、著者がおすすめする速攻疲労回復メニューはしょうが焼き定食です

疲労には豚だそうです。
肉って偉大なんですねー。
疲労には鳥の胸肉もいいと聞いたことがあります。

自分の食生活を振り返ってみると、そういえば、肉を食べる機会が極端に少なかったかもしれません。
水曜、木曜あたりには毎週ガッツリと肉を食べるようにするといいなと思いました。

あとにしておきたいのはカロリー
最近、なんでもカロリー表示があり気にしている方も多いと思います。
食べ物にはカロリーが含まれているのは当然で、大事なのは栄養成分表示

カロリーが低くても栄養バランスが悪ければ意味が無いのですから。
いい睡眠と栄養バランスの整った食事が基本ということです。

当たり前といえば当たり前の結論ですけどね。 苦笑




6.気になったサプリメントの話

栄養バランスが・・・ということを言い始めると、足りないのはサプリメントで補えばいいじゃないかということ。
事実、アメリカではサプリメントを多くの人が摂取しているようです。

しかし、驚くことなかれ、実は、健康食という言葉には明確な定義はありません。ぼんやりとした「健康に何らかの良い効果が期待できる食品全般」が今の時代のサプリメントの立ち位置です

国から機能表示を許可されているものは、「特定保健用食品」(いわゆるトクホ)と「栄養機能食品」だけで、それ以外は”自称”健康食品となります。
少し乱暴な言い方になりますが、発売する人が「これは健康食品です」と言えば、それはもう健康食品になるのです

いやいや、驚きました。
サプリメント言えば何でも体にいいと信じこんでました。
死亡したという例もあるようで。。。

このサプリメントのような健康食品は、粗利が高くビジネス的にはかなりおいしいそうですから、有象無象のものがありそうですね。
表示をしっかりと見るようにします。


あと、栄養ドリンクについて。
ぼくは一時期、毎日ずっと飲む生活をしていました。
心も体も疲れていたんだなと今では笑えますが。

栄養ドリンクはあくまで”非常食”であって、常用するのは百害あって一利なしだそうです。
非常食の乾パンみたいなものと。。。

なるほど。。。

この栄養ドリンクは短期的な効果を狙うもので、一種の興奮剤のようなものであるため、効き目が切れるとドッと疲れが押し寄せてくることがあるそうです。



7.ストレスはコントロールする

とにかくストレスが日々たまります。
ストレスをもらいに仕事に行くようなものです。。。
このストレスによる疲労が進むと、なんとなく体がだるい、動悸がする、めまいがひどくなるなど、様々な体の症状となって現れます。

このストレスに対処するには「溜めない」「もらわない」「与えない」の3原則を守ることが大事です。

「溜めない」ためには、時間軸をぐーんと長くすることが大切です。
売上増、顧客増など、短期的に効果が見込めないことは多いのです。
1日2日、というスパンではなく1ヶ月など長い目でみると、うまく対処ができるようになります

そうすることで、長期的に捉えることができ、心の変動も小さくすることができるようになります。

「もらわない」ためには、「ここまでできるが、ここからはできない」と断る勇気を持ちましょう。
自分の仕事だけで手一杯ですから。
余計に手を広げても、ストレスの元になります。

「与えない」ためには、そもそも、もらって嫌なものを与えてはいけないと自覚することです。


このようなストレスはバネとして利用しましょう。
そもそも、ストレスゼロの生活は一見天国のようですが、心も体もストレスがおかげで自分を高めることができます。
ちょっと頑張るという適度なストレスで成長するのです。

なお、ストレスを溜める人は、仕事をいつも先送りにしている傾向が強いそうです。
先送りしない習慣を身につけてみましょう。
そうすると、あら不思議、肩が軽くなったということがあるかもしれませんよ

最後に、噛む行為が体や心のストレスを解消してくれることが最近の研究でわかったそうです。
ですので、20分以上ガムを噛むのが効果的とのことです。




8.カラダ手帳で疲れを見える化しよう

どうやっても身体は疲れるわけで、時系列で「自分の体調の流れを知ること」が疲れへの対策になります

具体的には、その日のスケジュールの中に体調がいい時は「◎」、普通にいいときは「◯」、「△」「×」のように簡単に記入していくことです。
疲れを点ではなく線で捉えて、自分の疲労の状態を追いかけましょう。
また、食事、睡眠、排便などに対しても◯、△、×などの記載をしてみましょう。

そして、自分の疲れのパターンを見出して、その回復方法をつくりましょう。


このカラダ手帳という考え方は、「なるほどな」と思いました。
気合の入れたものじゃなくて、簡単でいいので追いかけるのは続けられそうです。

自分の基本的なパターンは、金曜日に向けて疲労が蓄積していきます。
土日はその金曜日の疲れの部分が睡眠時間増になって現れます。
(毎回思うことですが、平日の睡眠時間を増やせばいいってことなんですけどね)

また、定期的にやる気がダウンしたり、集中力がなくなるときがあるので、それもリサーチすると何かが見えてきそうです。



終わりに

かなり長い記事になってきましたが、「疲れ」は切っても切り離せないだけに、興味深いことが多かったですね。
「一流の人」というタイトルが入っていますが、一流の人の事例は特に出てきません。
やはり、最近流行りのタイトルだからでしょうね。

でも、医師の視点から書かれているという点でなるほどが多くてよかったです。
疲れの流れをつかむことや、肉を食べることを取り入れてみたいと思います。