プロフェッショナルの条件~初めて読むドラッカー

ビジネスクラスを乗るビジネスマンに愛読されているというドラッカーの「プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))(P・F. ドラッカー)」を読みました。
もしドラは読みましたが、初めてのドラッカー本になります。




初めてのドラッカー本の正直な感想

本書は2000年に日本語版が出版されました。
14年前の書籍になるのですが、ドラッカーの主張や時代の先読みについては、すごいの一言に尽きます。

とはいえ、初めてのドラッカー本は難しいの一言に尽きます。
具体的なノウハウというよりも、もう少し自分なりに噛み砕かないといけません。
自分の仕事にはどういう風に応用すべきかと。
もしドラが売れる理由がよくわかります。

読むのにずいぶんと時間がかかってしまいました。
5年後、10年後に出会うべき本なのかもしれません。

本書は2000年の出版であることもあり、他のビジネス書に書かれてあることは多くあります。
それだけ多くの人に影響を与えた証拠とも言えます。
なにより、ドラッカーと同じ時代に生きたかったなと思います。


プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))(P・F. ドラッカー)

とはいえ、組織はドラッカーに追いついていない

ドラッカーがこれからは知識労働の時代だと主張し、それが支持されている中でも、組織はドラッカーに追い付いていないと感じます。

これに対し、知識労働の生産性の向上を図る場合にまず問うべきは、「何が目的か。何を実現しようとしているか。なぜそれを行うか」である。手っ取り早く、しかも、おそらくもっとも効果的に知識労働の生産性を向上させる方法は、仕事を定義し直すことである。
特に、行う必要のない仕事をやめることである

ぼくも知識労働者の一員ですが、組織の目的意識が恐ろしく低いんですよね。
その結果、ぼやけて今に追われて、結果、行う必要のない仕事ばかりに時間を取られています。

こう考えていくと、ビジネスクラスに乗るような人、つまり経営者がドラッカーに追い付きたいと思っているわけですよね。
そして、すごく共感するのが以下の部分。

組織が最高の仕事をするためには、そこに働く者が、自らの組織の行っていることが社会にとって不可欠の貢献であることを信念としていなければならない。

不要なことばかりに追われて、本質的な仕事が減り、「何のために働いているのか」という疑問もわいてきます。
それを組織がきちんと与えてくれるならば、きっと「早く帰るためだけに仕事をする」という本末転倒な目的も消えるんでしょうね。

こうして組織から与えられるだけではなく、一個人がこうしたことを理解し、自分が上になったときに発揮していけば、ねずみ算式に組織が改善されていく。
となると、経営者じゃなくて、知識労働者全員が知っておくべきことなんでしょうね。

・・・とすると、ドラッカーの教えはまだまだ生きた知識を与えてくれますね!
(書きながら妙に納得する)





1.貢献にフォーカスしよう

「どのような貢献ができるか」を自問することは、自らの仕事の可能性を追求することでもある。
そう考えるならば、多くの仕事において、優秀な成績とされているものの多くが、実はその膨大な貢献の可能性からすれば、あまりにも小さなものであることがわかる

貢献すべき3つの領域として、「直接の成果」、「価値への取り組み」、「人材の育成」をあげています。
もしも、仕事に焦点をあわせたならば、成果が上がっているときはいいのですが、成果が上がらなくなった時に「成果をあげろ!」と檄を飛ばされ、人間関係がギクシャクする元になります。

貢献に焦点をあわせることによって、コミュニケーション、チームワーク、自己啓発及び人材育成という、成果をあげるうえで必要な人間関係に関わる基本条件をみたすことができる


わけですね。
そうした中で一番響いたのは、人材育成への貢献。

いつの時代もそうですが、日々、変化との戦いです。
今日の水準を維持するだけじゃなく、変革が常に必要になります。
そして、人の入れ替わりも必須なわけで、人が入れ替わっても組織が成り立っていくのは、人材育成がうまく行われているからです。

その部分への価値を置くべきですが、どうもそこがないがしろにされている感がハンパないのは自分だけでしょうか。
仕事の成果として評価されにくい部分であり、そんな時間があれば、自分のために成果を上げる時間につかいたいものですもんね。
人材育成面で評価してもらいたいものです




2.集中すること

新しい任務で成功するうえで必要なことは、卓越した知識や卓越した才能ではない。それは、新しい任務が要求するもの、新しい挑戦、仕事、課題において重要な事に集中することである。

というのも、すべての分野において万能な人間が求められていますが、そんな人間などいないから。

ある秀でた自分の強みを活かすことにフォーカスすることで、最大の成果が得られます。

苦手なことを克服する努力なんて時間の無駄であり、得意な人がやればいいわけです。
そして、この強みを活かせるように人事を考えることこそが、組織が考えるべきことです。

だからこそ、自分の強みや得意を分析し、さらにそこに特化して成果を上げるように努力をするべきであり、それが実現できるように上司に訴え要望するといいですね。



3.時間を管理する

私の観察によれば、成果を上げる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。
計画からもスタートしない。何に時間が取られているかを明らかにすることからスタートする。

次に時間を管理すべく、自分の時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。
そして、最後に、その結果得られた時間を大きくまとめる。
すなわち、時間を記録し、管理し、まとめるという3つの段階が成果をあげるための時間管理の基本となる。

仕事をしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
しかしながら、「仕事がたくさんできた!」と思うときもあれば、「なんか全然できていない」と思うときもあります。
そこがどうしてか、というのが、何にどれだけ時間を使ったかを分析する意味ですね。

案外、無駄話や気分転換に時間を使いまくっていることもあります。
おもしろいの次の記述。

時間を無駄に使わせる圧力は、常に働いている。
なんの成果ももたらさない仕事が、時間の大半を奪っていく。
ほとんどは無駄である。地位が高くなれば、その高くなった地位が、さらに時間を要求する

やっぱりそういうものですよね。
仕事とは、どんどん無駄な仕事が増える仕組みになっているんですよね。

あれも必要、これも必要と詰め込んでしまっていて。だからこそ、

する必要のまったくない仕事、すなわち、いかなる成果も生まない完全な時間の浪費であるような仕事を見つけ、捨てなければならない。

というわけですね。

毎日を漠然と過ごしているだけでは絶対にできないことです。
時間を分析し、無駄を省き、そして、時間をまとめること。

会議、相談、報告など必要だと思うことの中にも、無駄が潜んでいるので、そこを駆逐して時間を管理することをしたいですね。




4.意思決定の秘訣

決定においては何が正しいかを考えなければならない。
やがては妥協が必要になるからこそ、最初から、誰が正しいか、何が受け入れられやすいかという観点からスタートしてはならない。

議論していると、ぶれてしまうことが多くて、横道にそれて、そこで決断をするなんてことも。
でも、結局、そこで何が正しいのか、そもそもの目的に立ち返らなければ意味が無いわけですね。
でないと、議論がどこかの結論で落ち着くように仕向けるだけになってしまいます

決定は、最初の段階から行動への取り組みをその中に組み込んでおかなければ、成果はあがらない。
事実、決定の実行が具体的な手順として、誰か特定の人の仕事と責任になるまでは、いかなる決定も行われていないに等しい。
それまでは、意図があるだけである。

こうしよう、ああしようと言った時に、で、誰がやるの? を決めてないと、結局、物事って動きませんよね。
そういうのが職場で多いんです。

そんなことを気にして決めるのが管理職であるべきなんですが、気が回らないんです。
誰も新しいことをしたくないから、放置しておきたいという気持ちがあるのかもしれませんが。

決定したら、行動するように仕組んでおく、必須ですね





5.リーダーシップ

以下はリーダーシップについて中略を入れながらの抜粋です。

大事なことは、彼らが正しかったことだ。
カリスマ性はリーダーを破滅させる。柔軟性を奪い、不滅性を盲信させ、変化不能とする。

リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることである。
リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持するものである。
もちろん、妥協することもある。

リーダーたることの第2の要件は、リーダーシップを、地位や特権ではなく責任と見ることである。
優れたリーダーは、常に厳しい。
ことがうまくいかないとき、そして何事もだいたいにおいてうまくいかないものだが、その失敗を人のせいにしない。


リーダーにカリスマ性はいらない

ここを理解していないと、理想のリーダー像に左右されてうまくいかなくなります。
というのも、そんな人間はなかなかいないし、リーダーに必要ないからというわけです。

ドラッカーの言う通りだなと思うんです。

ある人はリーダーを勘違いして、威張る。
リーダーだから偉い、リーダーだから言うことを聞けとね。
でも、それでは人は動かないし、リーダーの仕事もしていないわけで。

また、リーダーの指揮下にある人は、リーダーに万能を求め、ミスすることを認めず、何でもかんでも指示を出せというわけです。
でないと動かないぞって。

リーダーというのを正しいことを追い求め、責任をとることからスタートすると、本人も周りも認めたらきっと違う形に落ち着くんじゃないかな。
変なリーダー像ばっかり。





6.イノベーション

イノベーションに成功するためには、小さくスタートしなければならない。
大がかりであってはならない。具体的なことだけに絞らなければならない。

イノベーションが、最初の段階からほぼ正しいという程度以上のものであることは稀である。
変更がきくのは、規模が小さく、人材や資金が少ないときだけである。

イノベーションって、でっかいことをイメージするわけですが、そうではなく、小さなところからなんですね。
なるほど。

そして、イノベーションの目指す先は経済や社会の変革だそうです。

何か新しいことをすればいいと思いがちですが、そこですね。




7.人生をマネジメントする

もはや、30歳で就職した組織が、60歳になっても存続しているとは言い切れない。
そのうえ、ほとんどの者にとって、同じ種類の仕事を4,50年も続けるのは長すぎる。
飽きる。惰性になる。耐えられなくなる。まわりの者も迷惑する。

いやあ、ごもっともです。
本当にベテランの人が嘆きたくなるほどに、意欲を失っています。
出世よりも、早く帰る、適当にやる、そんなことが横行してます。

今日、中年の危機がよく話題になる。
45歳ともなれば、全盛期に達したことを知る。
同じ種類のことを20年も続けていれば、仕事はお手のものである。
学ぶべきことはさしてない。
仕事に心躍ることはない。


ドラッカーは第2の人生を持つこと、そしてその3つの方法を提案しています。

(1)第2の人生を持つ
 文字通り、仕事を変えるなど第2の人生を持つこと。

(2)パラレル・キャリア(第2の仕事)
 これは本業を持ちながら、もう一つ別の世界持つこと。
多くの場合、NPOで働くことを意味して、週10時間程度の仕事をする。

(3)ソーシャル・アントレプレナー(篤志家)になる
 仕事は続けるが本業に割く時間を減らしていく。
そして、新しい仕事、特に非営利の仕事を始める


ということで、アメリカではNPOの活動がさかんであり、日本でもこの動きは加速するのではないかと、見ている人が多いです。
これが2000年の話題です。
その後、たしかに日本でNPOの存在感が増してきています。

ちなみに、NPOを非営利組織ですが、中の人は給料をもらっています。
利益の追求をしないということですね。



終わりに

ドラッカー入門でしたが、その先見性や指摘には驚かされるものがあります。
ドラッカーはもう亡くなられており、今、本を書いたらどんなことを指摘するのだろうと。

時代の変化はどんどん急速だと言われていますが、ドラッカーから言わせれば、蒸気機関の発明のときや印刷技術発明のときなども、大きな変化だったようです。
とにかく、いつの時代も変化が激しいということのようです。

全然まとめになっていませんが、この辺で