8時間睡眠のウソ。 日本人の眠り、8つの新常識

人生の3分の1は睡眠とCMで流れていますが、あれはウソです。
と、これは煽りでも何でもなくて、科学的見地から得られたものです。

本書「8時間睡眠のウソ。 日本人の眠り、8つの新常識(川端 裕人,三島 和夫)」の著者の三島さんは、国立精神・神経医療研究センター部長です。
睡眠については、日々研究が進んでいる分野で、わかったことをまとめた本となります。

以前、書評をした睡眠を遺伝子研究から知る~時間の分子生物学(粂 和彦) は2003年の本であり、本書は2014年。
新しい見解も出てきそうです。



1.何時間寝ればいいかは、まだわからない

睡眠の一番の疑問は、「何時間寝たらいいのだろう?」
この疑問には未だに答えられないそうです。

従来通り、日中に眠気が来ないことが重要

とのこと。
それに個人差、睡眠の質、年齢による必要睡眠時間も変わることが理由に挙げられます。

自分の場合は7時間かなと思うんですよね。
そこまで寝ると、日中は眠くないですので。



2.細切れ睡眠はだめ!

90分ごとにレム睡眠が現れて、云々という話はよく聞きます。
大事なのは、ノンレム睡眠時に現れる徐波睡眠という深い睡眠。

このときに脳が冷却されるそうです。
勝手なイメージはパソコンのCPU。
脳は常に動いており、熱を持っているようなもので、それを冷やす役割が睡眠にあるようです。

この徐波睡眠をともなう、睡眠の構造を「メジャースリープ」と呼び、このメジャースリープをきちんととることが必要です。
細切れ睡眠だとメジャースリープが出ないのでNGなわけです。

睡眠は乱射せずに、大砲でドーンと、がポイントです


8時間睡眠のウソ。 日本人の眠り、8つの新常識(川端 裕人,三島 和夫)

3.ゴールデンタイムはウソ

疲れを取るには、夜10時から深夜2時までのゴールデンタイムがいいとされていますが、その根拠は医学的にはないそうです。
というのも、成長ホルモンは深い睡眠の間に出るので、深い睡眠を取ることが大事になります。

ということは、世間でもてはやされている朝型にゴールデンタイムは関係ないってことです。



4.人間の体内リズムは24時間18分程度

よく体内時計は25時間で1時間ずれているという定説がありますが、ウソだそうです。
ほかの本にも同じように書いてあります。

というのも、その実験の方法が厳密ではなくて、結論が25時間になったそうですが。
現在は脳波等で精密にわかります。
また、体内時計の遺伝子も10数個特定できたそうです。

すごいですよね!
そして、

人によって体内時計はバラバラ


だそうです。
ここが大事で、24時間の体内時計の人は苦労しないでいいそうです。
が、仮に30分遅れている人は、普通に生活していると、0時に眠気が来たら、翌日は0:30、更に翌日は1:00とどんどん生活時間がずれていってしまいます。

世の中には体内時計が平均よりもずれてとても苦労されている人がいるそうです。。。



現代は夜型になりやすい

体内時計は朝から午後3時まで光を浴びると、体内時計が進み朝型になっていきますが。
午後3時以降に浴びるとどんどん夜型になってしまいます。

一定以上の光量の光を浴び続けるのは危険ということです。
今はどこにっても明るいですよね。コンビニとか。
だから、必然的に夜型になるような環境になっているそうです。

朝型に戻すためには、午前中に光をたくさん浴びること。
例えば、電車なら窓側に張り付いて外を見るといいそうです。
太陽の光は偉大でとても明るいのです。




5.年齢とともに睡眠時間が減る

そう、加齢とともに睡眠時間が減るのは、

体の代謝が落ちるから。つまりエコになっていくそうです

急速がそれほどいらなくなるそうです。
だからこそ、8時間睡眠がいると勘違いすると、睡眠が足りているのに、まだ寝ないといけないとベッドで悶々することになります。
これが要注意。

実験室で脳波を測定した年齢ごとの平均睡眠時間は・・・

20歳 7.44時間
25歳 7.14時間
30歳 6.85時間
35歳 6.60時間
40歳 6.46時間
45歳 6.34時間
50歳 6.34時間
55歳 6.35時間
60歳 6.20時間

以下略。だそうです。ので、参考程度に。



6.寝不足は太ります!

寝不足と寝過ぎは肥満になりやすいそうです。

というのも、食欲を増すホルモンの分泌が増えると同時に、食欲を抑えるホルモンも低下することがわかったそうです

ダブルパンチです。




7.日本人女性の睡眠時間が短い!

10カ国で睡眠時間を国際比較したところ、日本を除く9カ国は男性よりも女性のほうが睡眠時間が多いのに対し、

日本だけが唯一、男性の方が女性よりたくさん寝ています

・・・。
著者は、共働きでも、「女性が家事をするもの」と捉えられているからではないかと指摘します。
専業主婦ならともなく、共働きでそりゃないですよね。

家事は男もするものと意識持っていきたいデータです。
それに、女性が必ずしもしなければいけない必然性ってないんですよ。





8.やっぱり昼寝は30分以内

寝不足の日が続けば睡眠負債は溜まっていくものですが、それを日中に寝てしまうといけない。

というのも、夜のメジャースリープに影響するから


睡眠とはメジャースリープのためであり、ここを一番に考える必要がある。
その限度としては、昼は30分以内。
それ以上はダメ。

それに会議中の居眠りも結果的には夜の眠りに影響するそうです。

自分の体のことを考えると、まず一番に睡眠時間を確保すること。
だめなら、30分以内の昼寝。

あとは、ひたすらに我慢。居眠り厳禁!!

ちなみに、午前の居眠りはオッケーだそうです。



終わりに

日夜研究が進んでいて、睡眠はおもしろいですねえ

睡眠は多くの人が興味ありすぎて、情報元が怪しいものが広く知れ渡っています。
その意味で、本書は睡眠の科学であり、信頼の足る一冊です。
少なくとも体内時計が25時間と書いてあるサイトは要注意です。

本書では病気に関することもありましたが書評では省略してます。
興味があれば手にとって見てください。