「仕事ごころ」にスイッチを!―リーダーが忘れてはならない人間心理の3大原則&実践術

仕事というのはただ売上を上げるだけではうまくいきっこありません。

いかに仕事がしたい! ここで働きたい! と思わせるか。

それについて考えて考えて、考えぬいてこそ、いい職場が生まれるんだと思うんですよね。

そうした熱い想いを軽快なタッチで、例も交えながら書いてあるのが本書です。



こんな本です

平社員というよりも、どちらかといえば、グループのリーダー的な立場の人へ書かれた本かなと思います。

どのようにして、仕事への意欲を高めていったらいいのか、ということに焦点を当てています。
堅いビジネス書というわけではなく、本文に線が引かれたり、文字が大きくなったりして、メリハリが効いており、さらに著者の軽快なタッチでとても読みやすくなっています。

停滞した組織をどうにかしたいという時におすすめしたい本です。

章構成は以下のようになっています。
 1.会社に何が起こったか
 2.人の心にスイッチを入れる人間心理の3大原則
 3.「抵抗」と「離反」を越えて
 4.「神話となるチーム」の土壌はこうしてつくる
 5.誰もがヒーローになれる驚異のメカニズム
 6.ヒーロー化を加速させる5つの方法


こんな人におすすめ

・誰かを指導する立場にある人
・仕事場に停滞感がある人
・仕事場が楽しくない人


「仕事ごころ」にスイッチを!―リーダーが忘れてはならない人間心理の3大原則&実践術

感想

内容が盛りだくさん過ぎて書ききれないので、3つの原則を中心になるほどと思ったところを紹介したいと思います。

原則1 「快」と結びつける

同じ仕事をするにしても、嫌な人がいるだけで空気が重くなって、モチベーションも下がってしまう。
頭のなかには、その嫌な人の影がちらついて・・・。

その人が休むなどしていないと、なぜか妙な解放感に包まれて、仕事も気持ちよく出来る。
同じ仕事をしているのに。

実感としてすごくあって、著者は人間の脳は心地よい=快 と感じると活性化する、これを仕事の中で取り入れることが重要として原則に入れています。

この快を発生させることを、「魂のごちそう」と表現しており、その正体はお金ではなくて、人のためになることによって生まれます。
仕事はお客がいて、その人に何かを提供することで成り立っています。

そのお客から「ありがとう」と感謝される、このフィードバックによって本人はやりがいを感じ、快を感じます。
仕事の目的をお金に置くのではなく、人のためにに置く。
そこから生まれるよいフィードバックが、著者の言う魂のごちそうになって、快が生まれ、より脳が活性化する。

また、仕事は同僚間、上司同士の内部の人間関係を伴っています。
そこでの魂のごちそうは、「ねぎらい」です。

ほめることはねぎらいの一種ですが、同義ではありません。
ほめることはよいフィードバックであり、ねぎらいはどのような行為に対しても可能であり、そこには「相手への敬意が込められている」からです。

結果が出なくても、「よくやってくれた」とねぎらうことは可能です。

こうした魂のごちそうを与えていくと、誰かのために何かをしたくてしょうがなくなり、やる気ごころにスイッチが入ります。


「仕事ごころ」にスイッチを!―リーダーが忘れてはならない人間心理の3大原則&実践術

原則2 「意味」を与える

生きるのにも意味が必要です。
左の皿に積まれた豆をはしで、右の皿に移し、終わったら左の皿に移す。
この作業を延々と人にさせると発狂するそうです。。。

実話なのか、恐ろしくなりましたが、人間には意味が必要なのです。
よく言いますよね、「オレらはロボットじゃない」って。

だから、人の存在意義を否定してはいけないのです。
「なんでここにお前がいるのか、意味がわからない」なんてことは決して。

仕事では、「何をやるか」ということではなくて、「なぜやるのか」という意味付けをきちんとしなくては、人は意味を見いだせません。
「それを考えろ!」なんて言ってしまうと、ただの作業になってしまうだけです。

そして、意味が見いだせない時、人は精神健康度が下がっていくそうです。


「仕事ごころ」にスイッチを!―リーダーが忘れてはならない人間心理の3大原則&実践術

原則3 「演じさせる」

人はこうしたい、こうなりたいと願うことで案外それが達成されたりします。

ゲームや物語では、一般人だった人が、「あなたは勇者です」といって祭り上げられ、試練を乗り越えることでいつの間にか本当の勇者になってしまう、というのがあります。

つまり、人からこうして欲しいと期待されると、いつの間にかそうなってしまうというわけです。
上司は部下に「こうして欲しい」という期待をしっかりと伝えましょう。
新しい役割を与え、演じさせましょう

ただ、その時に注意が必要なのは、人が受け取る情報は、言語が7%、非言語が93%ということです。
「期待している」と言葉で言っても伝わるのは7%だけ。

その一方で、顔が嫌々そうで、態度が横柄であれば期待していることは伝わらなくなり、結局7%しか伝わらないということも。
人に伝えることは、言語よりも非言語を意識し、態度や振る舞い、顔の表情も一致させる必要があります。

そうして、ようやく部下に情報が伝わり、部下もそれを演じようと、仕事ごころにスイッチが入ります。


「仕事ごころ」にスイッチを!―リーダーが忘れてはならない人間心理の3大原則&実践術

共感の土壌をつくる

共感というのは、この時代にキーワードですね。

共感が生まれるためには、人が本気になった情動が必要です。
だからこそ、誰かと共有したくなります。

ところが、現場では実は「共感・共有したいものがない」という現象が起きています。
それは経営者なりのビジョンが見えてこない。
でも、経営者としてはビジョンは話しているつもり。

ビジョンはより明確で具体的なもので、共感軸が明確になってないといけません。
そして、それを伝えるのは1回じゃなくて、最低6回は言わないといけない。

6回かあ・・・と思いましたが、大事だからこそ、骨身に染み渡らせるためにも何回も繰り返すことが必要なんですね。


「仕事ごころ」にスイッチを!―リーダーが忘れてはならない人間心理の3大原則&実践術

抵抗は変化への恐れ、離反は文化になじめないから

何かを改革しよう、変えようと思って新しいことを取り組もうとすると、それに対して反対する人が現れます。
場合によっては全員かもしれません。

それはいい、悪いの問題ではなくて、変化することが嫌だからです。
今やっていることを変化させることを恐れているわけです。

それをわからずに強行にやってしまうと、仮に成果が上がったとしても、もっと強固な反対にあうそうです。
それだけ変わることはエネルギーのいることなのです。
ワンマン経営であれば、それも可能なのでしょうが。

変化を乗り越えるためには、楽しさとリンクさせることがポイントであると著者は言います。
人はワクワクすることには目がなくて、その楽しさはどんどん伝染するもの。
だから、アイディアを加えてわいわいと楽しい雰囲気を加えることによってうまくいきます。

そうして、組織が変化していると新しい文化ができてくるのですが、その時に起こることが最も頼りにしていた人たちの離反。
場合によっては、創業メンバーであったりします。
それはすごく精神的なショックが大きいものです。

著者は「それはあたなのせいではない」と言います。
離反する人が出て行くのは、新しい文化に結局なじめないからです。
会社が伸びようとする直前に起きることであり、その右腕とも言えるメンバーが抜けて一時期混乱が生じたとしても、その穴を埋めるように、他の人材が伸びてきます。

もっとも気をつけなければいけないのは、そうした変化の中で、あなた自身が離反メンバーになることです。
そのためには、柔軟性を常に磨いておく必要があるといえます。


「仕事ごころ」にスイッチを!―リーダーが忘れてはならない人間心理の3大原則&実践術

終わりに

中途半端な紹介になってしまいましたが、

結局、人である。

に尽きるんですよね。
仕事の出来・不出来があって、つい他人に対して厳しいことをいいたくなりますが、その発想ではどんどん仕事がうまくいかなくなるんですよね。

人がうまく育つ、いい環境を作り出す、そうしたための指南書とも言えます。

こんな上司に巡り会えてよかった、と言ってもらえる人間になりたいものです。