映画「君の名は。」のネタバレ感想。秒速5センチメートルと絡めて書きたくなりました

新海誠監督の「君の名は。」の地上波を見ました
すごく話題の映画でしたが、実は見たことがありませんでした
というのは、「秒速5センチメートル」を先に見て、ものすごくダメージを食らってしまったから

ちょっと恐ろしくて見れなかったですね。。。
今回は地上波で放送であり、とても評価が高いので見ました

君の名は。が話題になる度に、秒速5センチメートルの記事ヒットしてます
ありがとうございます
そして、そのことについて絡めて書きたいと思ったので、ネタバレ感想を投稿します

※ 1回だけ見た感想であり、特にネットで情報を調べていないので思い違いの箇所もたくさんあると思います。あくまでもネタバレを含む感想です




以下、ネタバレ要注意です


1.映画の完成度が高すぎる

一言で言えば、とても完成度が高くて面白い映画でした
世間が騒ぐはずだなと思いましたし、秒速5センチメートルのようなマニア受けするような形ではなくて、完全なる王道映画でしたね
新海監督の映画は脚本がしっかりと作ってあって、それを大衆受けをするように設計したのが今回の映画なのかなと思います

秒速5センチメートルとかぶる部分あり、やはりじわっときましたけどね
物語のいたるところに伏線があってそれが回収されていって物語が終わる、とても練られていて、見ていてすっきりしました
5年後のハッピーエンド?になったので、それもとてもよかったし、「このあとどうなるの?」って気になります

ロスなんて言葉が言われますけど、たった2時間の映画であってもそんな気持ちにさせてくれました
それとすごいなと思ったのが、今まで少しもネタバレしなかったことですね
主人公たちの名前すら初めて聞きましたから。いやはや、すごい



2.入れ替わる意味

なぜ主人公たちが入れ替わったのか
すべては勝手な推論になってしまいますが、三葉の家庭が代々神社の直系の一族であり、1,200年前に落ちた隕石で村に大きな災害が発生し、その再来を防ぐために誰かと入れ替わっているのだと思います
入れ替わる際の3年間のずれは、入れ替わったことで未来・過去を知り、過去(災害)を変えるためのものであると

だから、御神体が最初の隕石が落ちた場所ですし、過去と未来をつなぐ、組紐を編むことが伝承であるし、巫女酒で半身をご神体の場所に奉納しているのでしょう
代々の子どもたちが誰かとの入れ替わりを経験して、「それらは今日この日のためにあったんだ!」と気づいた瞬間の驚き
鳥肌が立ちました

祭りの前日に三葉がタキに会いに行き、組紐を渡したことが運命的な入れ替わりするきっかけにもなったし、運命を変える入れ替わりの発端ともなりました

最初の頃に、昔の大火で書物などがすべて燃え去っていて、伝統だけが残っているとありますね
その分で、過去の出来事が忘れ去られてしまったのと、三葉の家系・宮水家の役割も忘れさられたのかもしれません

3.時系列を追う

三葉とタキの2人の時間軸が違うので、けっこうややこしいことになっていますね
三葉が高校3年生のときに、タキは中学3年生なんですよね

タキを元に時間を組み立てるとすると、

(3年前)
中3の時に三葉に会う
三葉が東京で出会ったタキは、電車の中で英単語で勉強をしている、おそらく高校受験を控えた中3だったはず
そのときに組紐を渡されます
おそらくこれで時間のねじれ、つながりが2人の間に出来上がって、入れ替わりのきっかけとなる

東京に三葉が行った日の夜におばあちゃんに髪の毛を切ってもらう
彗星&祭りの当日は学校をサボっていて、おそらく三葉は2日連続学校を休んでいて、てっしーが心配して連絡をして、気乗りしない三葉が浴衣で祭りにやってきて、髪を切って驚く

そして、三葉の村に彗星が落下して大惨事に
しかし、彼は忘れてしまう(組紐のせい?)




(現在)
3年後の高校2年生?(3年?)
突如として、三葉と入れ変わりが発生する
入れ替わったあとは徐々に記憶が薄れていくので、何度入れ替わったかは明確ではないが、たぶん10回。

本編の通りに行くと、「タキが先輩とデートの日」と3年前の「三葉の隕石が落ちる祭りの日」に三葉が亡くなるので関係が途切れてしまい、入れ変わりが発生しなくなる
「今日はタキ君のデートの日か」と、三葉はタキに片思いしていることに気づきながらも、タキと先輩がうまくいくことを願い、勝手に失恋して、髪を切って祭りに行く


(数日~1,2ヶ月後?)
タキは薄れ行く記憶の中で描いた飛騨の光景を元に、三葉の元を訪れると、三葉の村が3年前の隕石で消滅したこと、三葉たちが亡くなっている事を知る
三葉のおばあちゃんから、御神体の死後の世界のことを聞き、あそこなら三葉に会えるのではないと考えて御神体の元に行き、巫女酒を飲んで、組紐の力で時間のねじれが発生して、再び過去の三葉の元に
(このときに、過去の隕石被害のことを知る)

三葉は本当は死んでいたが、巫女酒に三葉の半分が残されていて、そのお酒を飲むことで三葉が蘇り、彼らが入れ替わる
タキはまだ過ごしていない祭り当日に入れ替わる(東京に行った翌日)
ただし、この段階で三葉はすでに髪を切っている

三葉は東京の彼に会いに行き「誰だ、お前?」と言われ、失恋して?髪を前日に切っていたから
同級生たちは髪を切っていないのを知らないから、この日学校に行くと驚く

何度も過去をやり直しているのかと思っていましたが、タキがまだ経験していない過去の地点(祭りの日)に行っているので、彼らは繰り返してはいないのだろうと思います
東京に行ったあの日に組紐を渡したから、タキは翌日の祭りの日に戻ってこられたのかもしれません
そう考えると、前日の三葉の行動が違う時間軸のタキを呼んだのかも

夕暮れの片割れ時に、御神体の元で2人は元に戻り、初めて出会い、そして別れる
三葉は村の参事を防ぐために、タキたちが考えた計画を実行し、村を救う

目覚めるタキの目の前には隕石が大きな湖を作った光景が
忘れていましたが、住民を救っても隕石は必ず落ちるわけですから、湖ができていても「過去が変わった」かどうかはわからないんですよね
タキは三葉の名前を忘れるし、三葉には「すきだ」と書いてしまったから、お互いに忘れてしまう



(5年後~春)
タキは大学4年生で就職活動中
例の先輩は結婚(婚約?)して、幸せな人生を歩んでいてよかった
この時に、三葉は3歳上だから順調であれば社会人3年生?

三葉は憧れの東京に移り住んでいて、過去のある瞬間のことをなんとなく思い出しつつ生活していて、朝目覚めると泣いてしまうことも
2人を結びつけるのは組紐か・・・
2人の視線が交錯した時によくわからないけれど何かを思い出し、駆け出した2人は再会する

4.記憶

最初の頃は2人ともお互いの名前を覚えていたり、スマホに携帯番号を入れていたりとよく覚えていますよね
どこかの段階で急に物忘れが早くなりますが、あれは御神体のところにいったためです
おばあちゃんが「ここから出るためには一等大事なものを捧げないといけないよ」と言っています

タキが三葉を巫女酒から救い出し、あの幽世(かくりよ)から出るためには、彼らが捧げたものは「お互いの記憶」だったのだと思います
だから、隕石を防ぐときになって、なぜかお互いにまったく思い出せなくなってしまいます
奇跡を起こした代償となるわけですね

だからこそ、圧倒的に2人はまったくの接点を見失ってしまいました
しかし、彼らが何度も入れ替わり、奇跡を起こして運命を変えた、というのは心の奥底に消えずに残っていて、それがずっともやもやの原因を作っていて、2人はその思いにずっと引きづられながら生きていった
その意味では、2人とも、何かを失ったという喪失感を抱えたままで、何か足りない人生を歩んでいたのかも

奥寺先輩がタキに「君も幸せを掴みなよ」というように、タキはきちんと生きていったけど、そこまで幸せそうになかったのでしょうね
だから、再会することで、そのもやもやが解消されて幸せになるんだろうと推測するわけですね
ただし、この2人がうまくいくかどうかはわかりませんが、見ている側としてはうまくいってほしいと願うわけです

新海監督の映画では、よくこうした描写が出てくるように思うんですよね
人は過去の思いに囚われて生きているような描写
2人が過去に大事な人に出会って、失ったという経験、これは誰しもが持つような共通の感覚だと思います

だからこそ、見ているこちら側も強烈にもやもやしてしまうし、彼・彼女に思いっきり感情移入してしまいます
奇跡を起こしたから彼らが特別ではなくて、こうした感覚などはみんなが経験するようなもの
それを主題に入れ込むのが新海監督のすごいところです

それと、高校生の時にハッピーエンドを迎えずに、そこから5年も経過してからハッピーエンドとするところが、新海誠





以下、秒速5センチメートルのネタバレを含みますので注意願います




5.秒速5センチメートルのこと

私は映画を見ながら、秒速5センチメートルのことを思い出していました
5年後のときなんて、「秒速」の主人公の社会人時代と見ている雰囲気があるし、三葉の描き方は本当に似てます
2人とも、若かりしころの喪失感を抱いたまま生きてきました

秒速では、その2人がすれ違うのですが、そのまま通り過ぎてしまいます・・・。
「なんてこった!!」という猛烈なもやもやが残ります
「君の名は。」を見ながら、とてもデジャブを感じて、

なんと、、、、今回は2人が振り向いた!!


奇跡だ!!

って叫びたくなる衝動がありましたね・・・。
秒速では二度と出会えなかった2人が、こうやく再会できた、そんな感覚でした
新海監督が用意した秒速の結末のもう1パターンを見させてもらったような気がしましたね

あそこからの長い長い伏線
そう考えるととても感慨深いものがあります
意図されているかは当然わかりません

ただ、、、、

私が考えるのは、あそこで2人が出会わなくてもそれはそれで人生なんだってことです
過去の強烈な思い出も、タキと三葉が経験したように忘れ去られていきます
今を生きているからです

だから、「過去の人」に囚われ続ける必要もないし、「今の人」に出会えばいいので、再会する必然性はありません
が、、、今回は王道を行ったから再会したのかな
元カレ・元カノと再会することなんてほぼほぼないことを考えると、今回は視聴者として見ているからこそ、勝手な運命を決めつけたくなって「2人が再会して欲しい!」なんて思ってしまうし、そこに強烈な意味を求めてしまう

人生とはいろいろですから、こういう人生も、ああいう人生もあります
でも、もちろんのこと2人が出会ったよかったなと心底思います



6.君の名は → 秒速 に行く被害者たち

君の名は。が話題になると、私のブログの過去記事がざわつきます
なぜかを考えると、「君の名は。」がとても素晴らしい映画だから、新海監督の過去の作品を見てみようとして代表作である「秒速5センチメートル」を見てしまうのでしょう

そうすると2人は出会わないので、強烈なもやもや、現実生活までも憂鬱にさせるような大きなショックを残すので、このブログの到達するのだと思います
新海監督の「君の名は。」の大ヒットを予見すらしていなかったので、自分のもやもやを解消するためだけに書いたのですが、けっこうな反響をいただきました
 → 映画「秒速5センチメートル」に釘付けになった ネタバレ感想

記事はすごく長い旅になりますが、もやもやがある程度は晴れるのではないかと勝手に推測しています
今回の放映をきっかけに上記の記事群が、ざわついてます
面白い現象ですね

新海監督の次の映画はどうなるのか、「君の名は。」がとてもよかっただけに気になりますね
王道を行くのか、そうではないのか。
いやーーーよかった!