ナイト・オブ・キリング 失われた記憶 シーズン1-8話「野生の呼び声」のネタバレ感想

Huluで海外ドラマをゆったりと見ています。
今回は、ナイト・オブ・キリング 失われた記憶 シーズン1-8話「野生の呼び声」のネタバレ感想です




ということで以下ネタバレ注意です。


1.あらすじ

送別会の後(最中?)、ボックスを1人で考え込み、警察署に戻り監視カメラの映像を再確認する
アンドレアがナシルの車に乗る前に、誰かに追いかけられているのか後ろを凝視しているシーンに注目する
その疑いをきっかけに、アンドレアのその日の行動を追いかけていくと、ある男と口論している映像が見つかる

一緒にいた店でクレジットカードの情報とアンドレアの携帯の受信記録から、男がアンドレアと接触を持っていて、その夜の行動も容疑者として10分であることがわかる
その男の正体は顧問会計士のレイモンド・ハリーだった(ストーンに継父の情報を話した男)

このことについて、検事のエレンに報告するが、彼女は「ナシルの方が有力だ」としてその意見を無視する
その間も裁判は続いていく(途中でボックスが退職?)

チャンドラは、服役中のデュエイン・リード、葬儀屋の男、継父を証人として呼び、容疑者として十分に疑わしいこと、さらにはその容疑者たちを警察が一切調べていないことを陪審員に訴える

あとは最終弁論となった段階で、チャンドラはストーンの反対を押し切って、ナシルを証人として呼ぶことに決定する
ナシルのそのことを告げると、「支援が必要だ」と彼女に相談し、なんと彼女は彼のために麻薬を調達し、弁護士の権限を使って面会中に渡すのだった



このナシルの証人尋問で検事のヘレンのやり方が巧妙で、ストーンは「ナシルを証人にしたおかげで、敗訴が決定的になった」と怒る
最終弁論を前に、とあるDVDがストーンのもとに送られてくる
中にはナシルとチャンドラが面会所でキスしている映像が入っており、この映像を使えば被告と弁護人が不適切な関係にあったことが証明され、裁判のやり直しになるとストーンは考え、ナシルに確認し、判事に訴える

判事は裁判を引き延ばすための作戦だとして、チャンドラを倫理委員会に報告するが、最終弁論はストーンにやれと命じる
※ DVDはフレディが権限を使って入手&送付したと思われる


ストーンは急遽舞い込んできた最終弁論のストレスで、なんと全身の湿疹に襲われて、病院に駆け込む

最終弁論が行われる
ヘレンはナシルを有罪にするように陪審員に訴えるが、ところどころで詰まってしまう
ボックスの助言が頭をかすめるようであり、その時にボックスが退廷する
そのこともあり、さらに言葉に詰まるが、彼女は翻意することなく最終弁論を終える

ストーンが全身湿疹であったが、彼なりの言葉でまとめる
自分が引き受ける時には司法取引を進める
その理由は依頼人の95%以上が罪を犯していると確信があるからだ




しかし、彼を弁護しようと思ったのは、彼は無実だと信じられるほどの核心があったから
彼は残酷な拘置所の中で生きるために、外観が変わってしまったかもしれない
警察は疑わしい人物がいるにも限らず、一切の捜査を行わずに彼が犯人だと決めつけている

検察側が提示した証拠は小さな罪の証拠であり、彼が殺人を犯した証拠は一切ない
彼の一生がかかっているので、しっかりと判断して欲しい
ストーンの最終弁論を聞き、ナシルは彼にお礼を言う

陪審員たちの評決はその日のうちに出ずに、次の裁判の時にも出なかった
6対6で意見が完全に割れて、誰の考えも変わらないと陪審員の代表が言う
この結論を受けて判事は、陪審員を退場させ、ヘレンに陪審員を選び直し、裁判を最初から行うかと聞く

ヘレンは「起訴を取り下げます」は発言し、ナシルの無実が確定した

ナシルが拘置所から去るとき、フレディは姿を見せず、看守に「野生の呼び声」という本を渡してくれるように依頼していた
彼はナシルのことを気に入っており、その理由は彼から無罪のにおいがするからというものだった
ここに来る人間は誰も彼も無罪だと主張するが、有罪のにおいがする
お前は特別であり、ユニコーンみたいなものだ、と



ナシルは父親に迎えられ、家に帰る
家では微妙な空気も流れるが、母親は彼に笑顔を見せる
その夜、彼はこっそりと家を出て、ストーンに再会しお礼を言う

街に繰り出し、麻薬を買い、最初に彼女と行った橋が見える川のところに行き、彼女を思い出しながら麻薬を吸う

チャンドラは依頼人との不貞を報告され、アリソンからクビを告げられて事務所から出て行く

ヘレンは大学の警備員となったボックスに「こいつを捕まえるから手伝って」と、そのターゲットをレイモンドにする

ストーンは家でくつろぎながら、少し湿疹がおさまったのか? 依頼の電話を受け「250ドルだ。俺が行くまで誰とも話した」と相変わらずのフレーズで電話を切ると出かける
彼が出かけて行った後に、猫が部屋を横切る


2.感想

ということで、終わりましたね
ミニシリーズみたいな形で銘打たれていますが、普通のドラマは40分で10話構成が多くありますから、十分1シーズンに相当するボリュームです
いろいろと思うところを最後ですので変えてこともいます

1)真犯人は誰か?

結局のところ、真犯人は明らかになっていません
レイモンドは監視カメラの映像で何かをゴミとして捨てており、記録が残らないように高速道路を現金で払っています
アンドレアとも電話で連絡を取っているし、以前に(?)つき合っていたという写真もあり、お金の使い込みも調べてみれば出てきそうな予感です

ごみ袋の中身はおそらく飛び散った血がついた服でしょう
そもそも裁判で一切出てこなかった「返り血問題」があるんですが不思議ですね

あれだけ盛大にさしたのであれば、彼に返り血がついていないことが、犯人ではない証拠となってもいいような気がします
もちろん、ビニール袋なので飛び散らないようにしていたと言う可能性もあるかもしれませんが、裁判の中で第三者の犯行だという形に持っていける有力な証拠であるように思います

と言うことを考えてみると、おそらくの真犯人はレイモンドでしょう
しかしながら、その確証は得られないのがこのドラマの真骨頂なのかなと思います



と言うのは、検察側は確証があろうとなかろうとどうでもいいわけです
裁判で勝ち、誰かを冤罪であってもぶち込めばそれで良しなわけだし、微妙な状況では司法取引を持ちかけって、冤罪であっても罪を認めさせることが可能です

レイモンドがやったがどうかはわかりませんが、合理的な疑いがあると言うだけで、有罪にすることは彼女らなら可能でしょう
それが今回の一つのテーマであるように思います
つまりは、やったかやってないかはどうでもよくて、そう見えればそうなるという「曖昧」で「いい加減」なもので世の中は動いているということです


もっと言ってしまえば、ナシルが犯人ではない、とは言い切れないわけですよね
記憶がないわけですから
こちらにもその証拠の映像は流されていないし、そもそも犯行時の証拠は一切ありません
でも、それはテーマとは関係ないのでどうでもいいわけです

大事なのは、誰が一番疑わしくて有罪に近いかだけ
その餌食となるのがレイモンドでしょう



2)差別

このドラマはアメリカの闇を映したようなものですね
イスラム教徒、中東系というだけで、世間の見る目は全く変わり、偏見や差別で満ちあふれています
ナシルの家族は、差別からみんなが職や学校を失いました

ナシル自身もずっと差別に合ってきた過去があり、そのことが原因で裁判中も不利な証拠として提示されました
さらに言えば、検察側は権力という差別でナシルを追い込む構図となっていて、世の中は不平等なんだなということを目の当たりにした気がします


3)彼の今後

このドラマを見ていて、とても残念だったのが好青年のナシルがどんどん闇に落ちていく姿でしょう
本来の彼がとても善人であったかどうかはわかりませんが、少なくとも犯罪とは縁がなかった青年であったと思います
そんな彼が拘置所で闇に落ちてしまった一番の原因というのは、彼を信じて支えてくれる仲間がいなかったことなのかなと

それは彼の人生の中でもずっと感じていたことだと思います
中東系の人はみな貧しく、そして差別を受けながら生活をしており、自由の国アメリカといっても、とても生きづらかったと思います
そんな中で、彼のことを信じ、彼のことを大事にしてくれるフレディの存在は、彼の人生の中で唯一信じられる存在だったのかもしれません

彼の言葉を聞いて、麻薬を吸引しましたよね
ここで初めて仲間を得たのかもしれません
彼が闇に落ちるきっかけは今までの人生中で何度もあったのかもしれません



それが今回の冤罪事件で噴出してしまっただけの可能性もあります
もう彼は以前の彼ではないし、家族も変貌してしまった彼に戸惑いを覚えており、うまくいかないかもしれません
それに彼は街で麻薬を買うなど、好青年に立ち返ることはない様子です

彼が麻薬を吸いながら、アンジェラのことを思い出すシーンは悲しかったですね

最初から最後まで、彼はあまり雄弁に語らなくて、何を考えているのかもよくわかりませんでしたね
彼はあの時何を考えていたのでしょうか



4)ストーンの湿疹

ストーンの湿疹は最終話を見る限り、ストレスによるものかもしれませんね
彼はそもそも犯罪者相手に、司法取引を持ちかけて安く儲けるということをやっており、人生が物寂しく充実していなかったのかもしれません
彼の湿疹がなくなった時期というのは、チャンドラと手を組み、ナシルの無実を勝ち取るという正義のために戦っていた時で、充実があったのではないかと思います

最後のシーンを見る限り、湿疹は大分良くなっていて、しかも家ではアレルギーのはずの猫が放し飼いだったのです
彼は猫を飼うことで充実感を与えてくれる存在を得て、ストレスも減って、湿疹が快方に向かったのではないかと思いますし、アレルギー自体もただの思い込みだったのかもしれません

彼はナシルと出会うことで人生がいい方向に傾いたのではないかと思います
チャンドラは逆に人生をだめにしましたね
そういう意味では、人を勝手に有罪にする警察や検察は失うものが全くなくて、なんて奴らだと思ってしまいます

まあ、罪を犯すなということですよね


終わりに

ナイト・オブ・キリングは見るドラマがなかったから見ただけであるんですが、とても面白かったですね
雰囲気はThe Killingに似ていますね
ゆっくりと物事を描いていくので、話に重厚感がありいろいろと見ながら感じることが多かったです

安易な方向に流れ過ぎなかったというのがよかったです
真犯人がきちんと分ればとてもすっきりと面白かったと言えそうなのですが、それがわからないのがこのドラマの良さなのかもしれません
世の中はこんなにも曖昧でいい加減なものかも

個人的には、正義を追いかけるThe Killingの方が好みではありますが、それでも十分に面白いドラマでした